HU QUA LPX1068 コヴァーチュ バルトーク・ヴァイオリン協奏曲
通販レコード→洪イエロー・ラベル茶文字盤

HU QUA LPX1068 コヴァーチュ バルトーク・ヴァイオリン協奏曲

商品番号 34-6187

前衛的な書法が洗練された音楽の流れとして充分に生かされている ― 歴史には何か人の眼には見えない神の意志に動かされているのではないかと感じる。ナチス・ドイツのユダヤ人迫害政策を発端に世界へと拡散していったその DNA はそれぞれの地でまた新しい流れを作り出す。ハンガリー、ポーランド、チェコ。幼少から高い音楽教育を受ける、ハンガリーには優秀な演奏家が沢山埋もれている。
生前はバルトークの唯一のヴァイオリン協奏曲と思われていたが、死後《ヴァイオリン協奏曲第1番》が再発見され、第2番と番号付けされるようになった。自身はピアニストだったバルトークだが、第1楽章にあるカデンツァもバルトーク自身で書いているほど、民俗音楽収集やヴァイオリニストの友人たちを通してヴァイオリン技法には精通しており、民族舞曲調の即興性から伝統的なパッセージや名人芸までが詰め込まれている。またオーケストラにもかなり比重が傾けられており、第1楽章が冒頭でハープが静かにロ長調の和音をかき鳴らして始まるなど色彩豊かな管弦楽の響きや、国際ヴァイオリンコンクールの課題曲に早い段階で採用されることからわかるくらいに、調性感もかなり明確に打ち出されている反面、12半音階の音が全て出てくる調性感の希薄な旋律も登場するなど、様々な音楽語法が盛り込まれている。
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これはバルトークの真髄を知るには貴重な演奏だ。バルトークの素顔が、極めて端整に表現されている。ハンガリーのフランツ・リスト音楽院の ― 1967年から務めた事務局長を経て、1971年から1980年まで ― 学長を務めた重鎮、デーネシュ・コヴァーチュ( Dénes Kovács )は1930年、ハンガリーのブダペスト北部のバーツ( Vác )生まれ。ハンガリー国立管弦楽団のコンサートマスターを10年務め、1960年に独立してソリストとして活躍するようになり、1957年以降はブダペスト音楽院の教授となっています。日本人ヴァイオリニストも数多くが師事をした様子で、2005年に亡くなっていますが今でも影響が続いています。ハンガリーという国はヴァイオリニストの名産地ですが、ザトレツキー門下のコヴァーチュはハンガリー国家から1742年製のガルネリウスを貸与されています。控え目で好感が持てる音楽を聴かせるデーネシュ・コヴァーチュは、早くから録音活動に恵まれ、その安定感の上で遊ぶ融通無碍な感じが非常に好ましく思える陰影のはっきりした音色、響きの髄を聴くような禁欲的な演奏で、まさにヴァイオリンを聴く喜びがここにあります。アンドラーシュ・ミハーイは、1967年に現代音楽を専門に演奏するハンガリー室内オーケストラを創設した同時代の作曲家。コヴァーチュは自らの技量を示しながらも、“余計なことをしない演奏”家として稀有な存在。作曲家の世界を侵食しない美学が貫かれていて、聴こえてくる音楽はバルトークであり、ミハーイの音楽だけです。
1962年、ハンガリー録音プレス盤。

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商品名HU QUA LPX1068 コヴァーチュ バルトーク・ヴァイオリン協奏曲