34-6261

商品番号 34-6261

通販レコード→英パープル銀文字盤

感性の冴えといきいきとした生命感にみちた、〝デイヴィスのモーツァルト〟 ― ベートーヴェンの「皇帝」やシューマンの「ライン交響曲」など、第1音が鳴った瞬間に耳が吸い寄せられる変ホ長調の音楽。モーツァルトにはこの調の曲が比較的多い。オペラ「魔笛」、交響曲第39番、ピアノ協奏曲第9、10、14、22番、2つの協奏交響曲に、ピアノ五重奏曲、そして、ホルン協奏曲2、3、4番などと、好んで聴いている曲がほとんど含まれる。モーツァルトとベートーヴェンの頃までは、曲によってC、D、E♭、F、G管など色々な長さのホルンやトランペットを持ち替えて演奏されていた。ホルン協奏曲はすべて変ホ長調で書かれていることから、「E♭」管がお気に入りだったようでもあり、また、フラット3つを管楽器が吹きやすいこともありましょうが、弦楽四重奏曲やヴァイオリン・ソナタにも多用しているのでそれだけが理由とは思えません。なにか特別な思いがあったのではないかと思っています。昔から、「調性」にはそれぞれ「色」があると言われてきた。ハ長調なら「白」、ト長調なら「青」、ニ長調は「緑」などなど、音階と虹の色合いを重ねられている。音階=スケールは虹の七色と同じく7音で出来ているし、長調の音階が「自然倍音」に近いため「明るく」「澄んだ」「鮮やかな」印象を与え、対して短調の音階が ― 短三度という〝微かな不協和音〟を含むため「悲しい」「暗い」「くすんだ」印象を与える。そうした性格を曲の理解の緒にして欲しくて、蓄音器のレコード鑑賞会の解説では、わたしはよく「変ホ長調」は「ヒーローっぽい」サウンドの代名詞になっていると、盛り込むことがある。さて、管楽器の扱い方では、「魔笛」には当時新鋭の楽器であったクラリネット、バセットホルンを重用するなどいくつかの顕著な特徴があり、変ホ長調でこれらの楽器が発する音の色と曲想が深くかかわっていることに一因があるからだと思われます。また交響曲でクラリネットを使ったのは ― 31、35、39、40番の唯4曲しかなく、それも35、40番では改訂版で使用、31番もニ長調というクラリネット的でない調性であることを考えると、この39番こそが曲想からクラリネットと不可分に練った唯一の交響曲といえるでしょう。作曲に当たってモーツァルトがこの曲に負わせた独特の位置づけが浮かび上がってきます。サー・コリン・デイヴィスと言えば、貧しい家庭に育ったためにピアノを買うことができず、そのために最も値段の安かったクラリネットで音楽の学習を開始したという話は有名です。デイヴィスはベルリオーズのスペシャリストとして若くして名をあげた指揮者で、ベルリオーズの主要作品を録音した最初の指揮者だ。今でこそサイモン・ラトルを初め英国人の指揮者がヨーロッパの主要オーケストラのシェフとして、活躍が著しいが、其の先駆者がデイヴィスだったのだろう。自分たちの仲間内でオケを作って指揮活動を始め、そして、ついにはオットー・クレンペラーが病気でキャンセルしたとき(1959年)に、その代役としてオペラ「ドン・ジョヴァンニ」を指揮して大成功を収めと言う話も、これまた有名です。その成功によってモーツァルトの後期交響曲の発売が急遽計画されたものではないかと思われます。個々の作品では中庸の出来もあるが、若さゆえか、周囲からの期待からか、激しい起伏に富むドラマテックな演奏に驚かされる。後年のデイヴィスは、手堅く正統派の音楽作りをするというイメージがあるのですが、〝最初の一歩〟となる本盤などには、あざとい表現なども垣間見られて面白い。→コンディション、詳細を確認する
サー・コリン・デイヴィスは、1927年イギリスのウェイブリッジ生まれ。1957年から本格的指揮者となりロンドン交響楽団、ロイヤル・オペラ・ハウス、BBC交響楽団、イギリス室内管弦楽団といった有数のオーケストラを指揮し特にモーツァルトやシベリウス、ベルリオーズといった作曲家の作品を得意とし数多くの名盤を残しました。1967年BBC交響楽団の首席指揮者、1971年ロイヤル・オペラ・ハウスの音楽監督、そして1982~1992年バイエルン放送交響楽団の首席指揮者、1995~2006年ロンドン交響楽団の首席指揮者を務めてきました。また1977年にはイギリス人として初めてバイロイト音楽祭で指揮しています。またボストン交響楽団の首席客演指揮者やシュターツカペレ・ドレスデンの名誉指揮者でもありました。デイヴィス自身「モーツァルトは人生そのもの」という言葉の通り、彼は、モーツァルト作品に内包するドラマやパトスを表出することのできる数少ない音楽家でもありました。この時期にフィリップスに録音した類まれなモーツァルティアンの名演奏は、そのほとんどが綿密に制作されたセッション録音である点も大きな特徴です。ロンドン響はワトフォード・タウン・ホールなど、ヨーロッパでも最も音響効果のよいホールで収録されており、そのバランスの取れたヨーロピアンな完熟のサウンドは、この時期のデイヴィスの音づくりを忠実に反映したものと言えるでしょう。そうしたデイヴィスの万全なサポートを得て、ベルギーの名ヴァイオリン奏者アルテュール・グリュミオーが甘美で艶やかな音色によって格調の高い演奏を聴かせている一連のフィリップスの録音は、20世紀モーツァルト演奏の金字塔と言えるでしょう。
ヨーロッパ屈指の家電&オーディオメーカーであり、名門王立コンセルトヘボウ管弦楽団の名演をはじめ、多くの優秀録音で知られる、フィリップス・レーベルにはクララ・ハスキルやアルテュール・グリュミオー、パブロ・カザルスそして、いまだクラシック音楽ファン以外でもファンの多い、「四季」であまりにも有名なイタリアのイ・ムジチ合奏団らの日本人にとってクラシック音楽のレコードで聴く名演奏家が犇めき合っている。英グラモフォンや英DECCAより創設は1950年と後発だが、オランダの巨大企業フィリップスが後ろ盾にある音楽部門です。ミュージック・カセットやCDを開発普及させた業績は偉大、1950年代はアメリカのコロムビア・レコードのイギリス支社が供給した。そこで1950年から1960年にかけてのレコードには、米COLUMBIAの録音も多い。1957年5月27~28日に初のステレオ録音をアムステルダムにて行い、それが発売されると評価を決定づけた。英DECCAの華やかな印象に対して蘭フィリップスは上品なイメージがあった。
〝響きの美しさ〟よりもオーケストラの音の重量感としてのバランスが見事なのがハイファイ・ステレオ・ラベル ― この時代は名盤目白押しで、この頃の、フィリップス・トーンの特色といえば、しっかりとした彫りの深い直接音と少々控え加減の空間情報を豊富に持った間接音の見事なバランス感覚に魅力がある。多少の出費は覚悟して も、絶対にゲットすべきだ、と思う。後日、後悔することは、まずないといってよい。英DECCAの華やかな印象に対して蘭フィリップスは上品なイメージがあった。また、この頃のコンセルトヘボウ管弦楽団の音の美しさも絶品で、特にオーボエをはじめとする木管楽器の温かみのある音は、これ以降、ほかの ― コンセルトヘボウも含む ― どこのオーケストラからも聞くことは不可能である。その録音は〝響きの美しさ〟よりも、オーケストラの音の重量感に心惹かれる。ステレオ録音での最初のレーベルは、小豆色 ― 海外のディーラーは「マローン(栗色)」と呼ぶことが多い ― の地の色に大きな銀色の文字で 「HIFI-STEREO」と印刷されたレーベルである。これを多くのわが国のレコード・ファンは文字どおり「ハイファイ・ステレオ・ラベル」と呼んでいる。フィリップスは1982年10月21日コンパクト・ディスク・ソフトの発売を開始する。ヘルベルト・フォン・カラヤンとのCD発表の華々しいCD第1号はイ・ムジチ合奏団によるヴィヴァルディ作曲の協奏曲集「四季」 ― CD番号:410 001-2。1982年7月のデジタル録音。ちなみにCDプレスは当時の西ドイツのポリグラムのハノーファー工場 ― で、それに先立つ1979年11月12~13日に初のデジタル録音を、アムステルダムにて行ったのがサー・コリン・デイヴィス指揮によるロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団による演奏で、ムソルグスキー作曲の組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編曲)と「はげ山の一夜」(ニコライ・リムスキー=コルサコフ編曲)だった。
  • Record Karte
  • 1962年発売。
  • GB PHIL 835 113AY デイヴィス モーツァルト・39番…
モーツァルト:交響曲第36番「リンツ」&第40番
デイヴィス(サー・コリン)
ユニバーサル ミュージック
2015-05-27