34-20448
商品番号 34-20448

通販レコード→英 "W&B STAMP DOG" 黒文字盤 Quadraphonic
定評あるマルティノンの交響曲全集。 ― 華やかな色彩美と卓抜なリズム感覚が冴えるシンフォニーは、ジャン・マルティノンの代表的な名盤です。往年のフランスのオーケストラならではの明るく美しい色彩の世界を心ゆくまで堪能させてくれます。サン=サーンスは19世紀の作曲家としては、たいそう長生きをした人で、そのために広い分野で夥しい作品を残した。博識の人としても知られ音楽評論家として健筆をふるったほか、古代楽器の研究を発表し天文学、音響学、哲学に通じていた。文学にも造詣が深く、演劇や詩の作品もある。今日、わたし達が《オルガン付き》の愛称で親しんでいるサン=サーンスの管弦楽作品にはほかに実際に演奏可能な交響曲が、「第3番」の前には4曲も存在しているのです。そのような状況の中にあって、フランス人の超一流の大指揮者マルティノンが、最晩年にサン=サーンスの交響曲全集のスタジオ録音を遺してくれたのは、クラシック音楽ファンにとって実に幸運なことであったと言えるのではないだろうか。DECCA, PHILIPS, ERATO, Deutsche Grammophon, RCA, VOX, URANIA, Concert Hall Societyなどさまざまなレーベルにレコーディングをおこなっていたマルティノンは、EMI、ERATOでもフランス物を中心とした数多くのアルバムを制作していました。マルティノン後期の芸風は、オーケストラ・コントロールに長け、ダイナミズムも兼ね備えた立派なもの。個性の確立された管楽器セクションの活躍により色彩豊かなサウンドを聴かせるフランス国立放送管弦楽団を巧みに統率、オーケストレーションに秀でたフランス音楽の魅力を明確に打ち出しています。マルティノンは交響曲第3番については、5年前にも同じフランス国立管弦楽団とともにスタジオ録音(マリー=クレール・アランがオルガンを担当したエラート盤)しており、その再録音を含めて交響曲全集のスタジオ録音を行ったということは、マルティノンの本全集の録音にかける並々ならぬ意欲とサン=サーンスという母国の大作曲家への深い愛着と敬意を窺い知ることが可能であると言えるところだ。各楽曲の細部における入念な表情づけも抜かりなく行われており、各旋律の端々からほのかに漂ってくる独特の瀟洒な味わいは、これぞフランス風のエスプリと評しうるものであり、その何とも言えない美しさには抗し難い魅力が満ち溢れている。ただ、この作品に派手さを求める人、堅実さを求める人、美しさを求める人、もっと何か違う魅力を求める人で、それぞれ評価は異なるだろう。本セットで聴く、この「第3番」はベルナール・ガヴォティによるオルガン演奏がより抑制的であることもあり、所謂〝爆演〟型とは対象にある演奏です。マルティノンはフランス出身の指揮者らしく、品位が高く、美しい情景と大きな空間の広がり感を演出しています。
Side-A
  • 交響曲第1番変ホ長調 op.2
Side-B
  • 交響曲第2番イ短調 op.55
Side-C,D
  • 交響曲第3番ハ短調 op.78『オルガン付き』
Side-D,E
  • 交響曲ヘ長調『ローマ』(1974年まで未発表)
Side-F
  • 交響曲イ長調(1974年まで未発表)
タイトル 作曲年 演奏時間・備考
交響曲変ロ長調 1848 第1楽章のみ完成
交響曲イ長調 1850 25
交響曲第1番変ホ長調(Op.2 1853 30
交響曲へ長調「首都ローマ Urbs Roma 1856 40
交響曲ニ長調 1859 文献にのみ存在
交響曲第2番イ短調(Op.55 1859 22
交響曲第3番ハ短調(Op.78 1886 36
カミュ・サン=サーンス(Camille Saint-Saëns, 1835〜1921)は、番号付の交響曲を3曲、そして番号が付かない交響曲を2曲の合計で5曲にわたる交響曲を作曲している。ロンドン・フィルハーモニック協会からの依嘱作品で、1886年に完成したサン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」は、循環形式を駆使して書かれた傑作である。楽章は2つに分かれているが、各楽章をさらに2つに分けることが可能である。第1楽章の第1部はアダージョの序奏とアレグロ・モデラートの主部で構成されている。第2部はポーコ・アダージョ。オルガンの音色に導かれて、美しいメロディーが奏でられる。第2楽章の第1部は古典様式の交響曲のスケルツォに相当する部分。劇的な性格を持つ主題がアレグロ・モデラートで刻みつけられる。第2部はオルガンの強奏で始まり、巧妙極まる筆運びで「怒りの日」を華やかな音響へと昇華させながら光彩溢れるクライマックスを形成していく。全体を通して循環形式が効果的に機能しており、それでいて、くどさを感じさせない。初演は5月19日に行われ、大成功をおさめたという。時に暗示的に、時に変則的に現れる主題はグレゴリオ聖歌の「怒りの日」に類似している。ちなみに、「オルガン付き」より前に書かれた『レクイエム』でも、「怒りの日」でオルガンが印象的に登場する。サン=サーンスが「怒りの日」に一種の執着心を持っていたことは、『死の舞踏』などからも想像できるが、このアイディアはそのまま「オルガン付き」に持ち込まれているが、とすれば「オルガン付き」は、これは交響曲であると同時に長大な「怒りの日」という意味も包含しているのではないか。「オルガン付き」の初演後、出版される際に「フランツ・リストの回想のために」という献辞が加えられたことも、推測の材料とするのは、周知の通りリストも「怒りの日」を引用し、『死の舞踏』を書いているからだ。しかし、演奏効果の派手さゆえ、エンターテイメント作品のようにみなされる傾向もある。壮麗に鳴り響くオルガンのインパクトが大きすぎるため、指揮者や演奏家が個性を出しにくい作品でエポックメイキング的な名演奏が生まれにくいという。「派手な交響曲」の代名詞のようにいわれがちだが、その堅牢かつ緻密な構成を意識しながら聴けば作品の奥にある魅力が味わえるだろう。
ジャン・マルティノン(Jean Martinon, 1910.1.10〜1976.3.1)は、フランスの粋と気骨を持った名指揮者。リヨン生まれで、生地の音楽院を経てパリ音楽院に進み、ヴァイオリンを収めるとともに作曲をダンディ、ルーセルに学んでいる。またシャルル・ミュンシュ(Charles Münch, 1891~1968)とロジェ・デゾルミエール(Roger Désormière, 1898~1963)に指揮法を師事しているが、最初は作曲家志望で、演奏家としてもヴァイオリン奏者としての活動が早かった。大戦中には従軍、一時期はドイツ軍の捕虜となっている。本格的な指揮活動は大戦後に始められ、1946年にボルドー交響楽団の指揮者に就任、やがてパリ音楽院管弦楽団(Orchestre de la Société des Concerts du Conservatoire)も指揮。また1947年にはロンドンにデビューして、1950年代には早くも録音活動を始めている。1951年〜1957年、ラムルー管弦楽団。1957年〜1959年はイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団。1959年〜1963年はデュッセルドルフ交響楽団の首席指揮者のポストにあり、この頃、今も異色の名演として知られる《悲愴》を1958年、英デッカにウィーン・フィルと録音している。然し、彼の名が世界の音楽ファンに強烈に印象付けられたのは、1963年、フリッツ・ライナー(Fritz Reiner, 1888〜1963)の後任としてシカゴ交響楽団の常任指揮者に就任して以降のことであった。独墺色の強い名門オーケストラとフランス人指揮者のコンビネーションは内外から大きな期待を集めたし、彼もアルザス人としての共感から、ドイツ=オーストリア系作品に充実した演奏を聴かせた。然しライナーの影が余りにも大きく、また批評家クラウディア・キャシディとの趣味の違いもあって、マルティノンは苦しいシカゴ響時代を送ることになる。この関係は1969年に終止符が打たれ、マルティノンはフランス国立放送管弦楽団の指揮者として母国に返り咲く。ちょうど年齢的にも60歳代を迎えつつあったマルティノンは、この頃から彼の円熟期を謳歌することになり、自分のオーケストラやパリ管弦楽団(Orchestre de Paris)と優れた演奏を聴かせるとともに、今なお不滅の名演をレコーディングしていく。代表盤は、やはり英H.M.V.に録音したサン=サーンス交響曲全集(1972、74、75年)、ドビュッシー(1973、74年)とラヴェル(1974年)の管弦楽曲全集になろう。それらはエレガントでありながら決して感覚美のみに流されることのない強い精神性を併せ持つ演奏であり、同じアルザス人ミュンシュとの共通項を感じさせるといって良い。1974年からはオランダのハーグ・レジデンティ管弦楽団との関係を深めるが、66歳の若さで亡くなった。作曲家としても数多くの作品を残しており、交響曲第4番《至高》はシカゴ響との自作自演の名演が1967年にRCAに残されている。
フランス国立放送管弦楽団。(交響曲イ長調、交響曲ヘ長調『ローマ』)1975年9月18〜23日、(第1番、第2番)1972年6月11〜12日、9月29〜30日パリ、サル・ワグラムでの録音。第3番のみベルナール・ガヴォティ(オルガン)、フランス国立管弦楽団。1975年1月9〜10日パリ、サン・ルイ・デ・ザンヴァリード教会での録音。3枚組。Quadraphonic
GB EMI SLS5035 マルティノン サン=サーンス・交響曲集
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