34-20938

商品番号 34-20938

通販レコード→英ゴールド・スタンプ・ドッグ ブラック・エンジェル盤

お耳ざわりですか ― ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ、ヴィクトリア・デ・ロス・アンへレス、エリーザベト・シュヴァルツコップ、クリスタ・ルートヴィッヒ、テレサ・ベルガンサ、パブロ・カザルス、ジャクリーヌ・デュ・プレ等々、偉大な歌手のピアノ伴奏演奏は勿論こと、様々な器楽奏者、多くの偉大な音楽家と共演した。ジェラルド・ムーアの演奏は、フィッシャー=ディースカウ歌うシューベルトの歌曲「魔王」の連打音に魂を鷲掴みにされて以来、今に至るまで、私に深い感銘を与え続けてくれる。フィッシャー=ディースカウともなると世界中のピアニストから共演を望まれたこともあってか、シューベルトの連作歌曲集「冬の旅」だけでも生涯で7回もレコーディングしている。コンサートも含めると数えきれないほどの演奏回数になるだろう。しかしムーアも伴奏の名人。あらゆるソリストから彼の伴奏でと切望されていただけあって、同じフィッシャー=ディースカウの演奏でも他のピアニストとは違う。フィッシャー=ディースカウのアプローチに寄り添うよう、表現のピアニストが多い中、このムーアは誘導する。歌手を先導するであるとかは、経験の若い歌手ではあることながら、主導的立場に立とうとするのではなく、いたるところで大歌手フィッシャー=ディースカウを、鼓舞に、励まし、支えている。シューベルトのピアノ・パートが雄弁なのだ。フィッシャー=ディースカウも歌曲の世界を創出しやすかっただろう。これこそ伴奏芸術の極み。伴奏ピアニストの視点から書いた、彼の著書「お耳ざわりですか ― ある伴奏者の回想著:ジェラルド・ムーア」も面白い。ムーアは、「やさしいシューベルト歌曲など一曲も知らない」と言っているが、〝初見で弾ける〟ようなシューベルトの「さすらい人の夜の歌」の前奏和音だけで9通りも変化を試みている。まずは、すべてをピアニッシモで、それぞれの和音に一様で柔らかなアクセントをつけて弾いてみる。次に、フレーズに、ほんの少しだけクレッシェンド、ディミヌエンドをつけて、表情を膨らめて、治める。これはやりすぎると、つり合いがとれなくなっていく。始めからやり直し、ペダルの使い方が悪く、和音が濁る。いろいろ試してみる。四度目、右手の一番高い音を弾く指に、慎重にアクセントをかけて弾いてみる。これでは、一番高い音だけ歌いすぎる。過ぎたるは及ばざるがごとし。また、やり直し。内声のすべてと、バスのオクターブを、はっきり聴きとれるように弾く。ただし、決して柔らかすぎてはならない。そして、一番高い音を微妙に漂わせて、誇張しているのを聴衆に気づかれないように弾く。これこそ、この曲を真に芸術的に演奏する秘訣。現代のピアニストならば、過去の数多くの録音や、ネット配信で最新の演奏スタイルを学習するのだろう。本盤は、伴奏、特に歌曲の伴奏の権威、ムーアならではの綺羅星たちとの共演を1枚にまとめたトリビュート盤。スター歌手との共演はもちろん素晴らしいが、デュ・プレとのフォーレの《エレジー》も聴きもの。ムーア70歳を記念して録音された哀愁あふれる名演です。→コンディション、詳細を確認する
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Gerald Moore ‎– A Tribute To Gerald Moore

    1. Malaguena
    2. Panxolina
    Soprano – Victoria De Los Angeles
  1. Siciliano (From Canata No. 29) Composed By – J.S. Bach Oboe – Leon Goossens
    1. Hochzeitlich Lied, Op. 37 No. 6
    2. Weisser Jasmin, Op. 31 No. 3
    Baritone – Dietrich Fischer-Dieskau Composed By – Richard Strauss
  2. Theme And Variations, Op. 33 Clarinet – Gervase de Peyer Composed By – Weber
    1. Frühlingsmorgen
    2. Scheiden Und Meiden
    Composed By – Mahler Mezzo-soprano – Janet Baker
Side-B
  1. Elegie, Op. 24 Cello – Jacqueline Du Pré Composed By – Faure
  2. Traume (No. 5 Of Wesendonk Lieder) Composed By – Wagner Soprano – Elisabeth Schwarzkopf
    1. Habanera Composed By – Debussy
    2. La Fille Aux Cheveux De Lin Composed By – Ravel Violin – Yehudi Menuhin
    1. Don Juan's Serenade, Op. 38 No. 1 Composed By – Tchaikovsky
    2. At The Ball, Op. 38 No. 3 Composed By – Tchaikovsky Tenor – Nicolai Gedda
  3. Slavonic Dance In G Minor, Op. 46 No. 8 Accompanied By – Gerald Moore Composed By – Dvořák Piano – Daniel Barenboim
偉大なチェロ奏者カザルスが、初顔合わせの練習で選んだのは、ベートーヴェン後期のソナタニ長調作品102の第2楽章であった。遅いテンポの第2楽章は、音符を弾くだけなら、とても簡単。最初の20小節は、素人でもすぐに読めるような楽譜である。しかし、ゆったり弾くフレーズの中に、繊細な強弱・抑揚をつけなければならないし、伴奏が強すぎたり弱すぎたら、調和がとれず台なしになってしまう。共演者として、うまく溶け合うか試されているわけだ。私は、神経を研ぎ澄まし、指先に精神を集中させて、鍵盤に向かった … 20数小節進んだところで、カザルスは、突然弾くのを止めてしまった。彼は楽器を静かに横に置き、私を真正面から見つめて言った。「私は、とても満足です。」 ― ジェラルド・ムーア「お耳ざわりですか」書中。パブロ・カザルスとの初練習をムーアが回想している。両者に見えている世界が同じだというのだろう。リハーサルが簡単に済むときは、そうした時。ともに両者一流の演奏者でもあるし、本番をとことん楽しみたい。
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  • 開きジャケット、解説書付き
  • GB EMI SAN255 ジェラルド・ムーア トリビュート
  • GB EMI SAN255 ジェラルド・ムーア トリビュート
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フェアエウェル・コンサート
ムーア(ジェラルド)
EMIミュージックジャパン
2009-09-16