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GB EMI SAN137-9 オットー・クレンペラー モーツアルト・歌劇「魔笛」

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1964年3~4月、ロンドンのキングスウェイ・ホールでのセッション録音。ご存知の方も多いと思いますが、舞台の無いレコードでは必要無いと、この「魔笛」にはセリフがない。セリフ部分に役者を起用しているレコードも多い中、台詞を全部カットした結果、切れ目無くモーツァルトの音楽が連続することとなり、それぞれの曲が息抜きなしに聴き手に迫るのが実に魅力的。通常コミカルな《フムフム…》といった曲でさえ、実に美しい響きと複合的な構造を持つことを如実に知らしめてくれるあたり、まさに比類がありません。音楽的にこれだけ充実した「魔笛」があるだろうか? そこで示される読みの深さはクレンペラーの音楽性と、それを音楽にする力量が無ければ、これだけ充実した演奏はできないのではないかと思う。また、粒揃いの歌手が揃っている。共にデビュー間もなかったルチア・ポップの美しい夜の女王にヤノヴィッツの透明なパミーナ、こわいほどの威厳に満ちたフリックのザラストロにゲッダによる端正なタミーノ、ベリーの愉快なパパゲーノ等々。さらに侍女にまでシュワルツコップ、ルートヴィヒ、ヘフゲンというほとんど冗談のような豪華なキャスト。合唱指揮はウィルヘルム・ピッツ。当時の EMI だからこそ成し得た、レコードだから可能になったドリーム・オペラ。このオペラ《魔笛》は、第一幕の“夜の女王側=善”、“ザラストロ側=悪”が、第二幕で逆転することで辻褄があわないのをミステリーと、しばしば表面的なものだけで面白おかしく説明しているものに出会いますが、ユダヤ人指揮者の演奏で聴くことで、あなたが第三の視点であることを気づかせてくれます。
GB EMI SAN137-9 オットー・クレンペラー モーツアルト…
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