34-18825
商品番号 34-18825

通販レコード→英ブラック銀文字盤[オリジナル]
シベリウスが描こうとしたものが手に取るように分かります。 ― スコットランド出身で、スコティッシュ・ナショナル管弦楽団の首席指揮者などを務めたアレクサンダー・ギブソンが得意のシベリウスの管弦楽曲を演奏している。ギブソンはオペラ指揮者の印象がやや強いが、どうして、このシベリウスはなかなか聴かせてくれます。シベリウスに関してはおそらくトップクラスの演奏家ではないか、ギブソンというと、どうしても手堅いという印象が先に立って個性が乏しい様なイメージでとらえられますが、大らかでさらっと流していながら奥深い味わいが随所にありお勧めできる。弦楽群の統一された細やかな響き、金管の大らかな輝かしい響きなど素晴らしいし感動的、非常に堂々とした演奏で表現がストレートに過ぎる感がなくはないものの、小細工なしで率直に作品に対峙していてオーケストラからは積極的な表現意欲と力強い共感に満ちた演奏を引き出しており、色濃いロマンティシズムを感じる旋律の歌い口や生き生きとした表情、そして充実した響きの盛り上がりも素晴らしく、若いギブソンの作品に対する思い入れと指揮者としての統率力とが十二分に伝わる演奏でした。当時30歳代前半だったギブソンの大変な名演奏、あまり知られていないがシベリウスメダルをもらうほどのスペシャリストだ。当時のグラモフォンのカタログではマゼールの全集があるくらいで、これだけ纏まった録音は他にはリストにありません。交響詩全集も完成させていましたから、この当時パーヴォ・ベルグルンドより注目されていたのではないでしょうか。シベリウスの若い頃の〈カレリア組曲〉ではスコアに書かれたあふれんばかりのエネルギーを効果的に音にし、私たちにわかりやすく演奏してくれます。全曲を通じて気軽に楽しめるといった傾向の演奏で、なかなかにエンターテイメントなところを聴かせてはいるのですが、その印象はヒロイックで勇ましいもの … といった感じでしょうか。一方で、後期の作品も前期の作品と違ったアプローチをとっており、名演揃いです。〈吟遊詩人〉など内省的な作品では、非常に静かで透明な音世界を作り出しています。ギブソンの演奏は、まさにフィンランド、あるいはスコットランドの大自然を感じさせるような雄大なものであり、しかし、それでいて繊細さにも欠けることはありません。シベリウスが描こうとしたものが手に取るように分かります。ただ、アナログ・レコード時代は専属オーケストラ契約の都合で各社に分かれて録音していましたので全集という形では存在しませんでした。エルガーと同じ土壌から滲み出た泉という感じがする、オトナのシベリウスだ。円熟した後年、デジタル初期にシャンドスにシベリウスの交響曲全集を録音しています。
シベリウスの全創作期間を通して、交響曲よりも長い期間にわたって、劇音楽の創作が続けられている。愛国的な感情を呼び覚ますとされ、当時支配を受けていたロシア当局の弾圧を受け、別名で演奏されたこともある音詩『フィンランディア』の原曲が『愛国記念劇』の1曲として1900年に作曲されたほか、1898年の『クリスチャン2世』作品27に付随して作曲された「鬼蜘蛛の歌」、1903年の『クオレマ(死)』作品44に付随して作曲された「悲しきワルツ」などが有名。1893年に野外劇のため作曲された劇付随音楽『カレリア』(全9曲)はその後すぐに、『カレリア』序曲 作品10と、「間奏曲」「バラード」「行進曲風に」の3曲からなる組曲『カレリア』作品11に改編された。1899年、当時の帝政ロシアによる新聞への弾圧に対して企画された「新聞祭典の催し」。この時に書かれた愛国記念劇のための音楽は、後に本盤で聴く『歴史的情景第1番』と『フィンランディア』へと形を変えました。どちらもフィンランド人の愛国心をかきたてるものとして知られます。『クリスティアン2世』はシベリウスの後期の書法を予感させる雄大な曲。とりわけ夜想曲の濃厚な美しさがたまりません。
アレクサンダー・ギブソン(Sir Alexander Gibson, 1926〜1995)はスコットランドの音楽界をリードした指揮者です。マサーウェル(Motherwell, North Lanarkshire, Scotland)の生まれで、グラスゴー大学、ロンドン王立音楽院へ進み、ザルツブルクのモーツァルテウムでも学んでいます。指揮法の師はイコール・マルケヴィチで、1952年にBBCスコティッシュ交響楽団の副指揮者としてデビューします。その後は、ジョージ・ウェルドンの後任としてサドラース・ウェルズバレエ団の音楽監督になり、1959年にスコットランド人としては初めてスコティッシュ・ナショナル管弦楽団の首席指揮者に就任して、1982年までその職にありました。途中1962年にスコティッシュ・オペラを設立、1977年にはサーの称号を受けています。ギブソンはシベリウスを得意としていて、LP時代にはデッカ、EMI、SAGAといった様々なレーベルに、当時演奏可能なシベリウスの交響詩の全集録音など、管弦楽作品を数多く録音していました。1978年にはシベリウスメダルを受賞しています。彼によるシベリウスの録音はどれも粒ぞろいで優れたものばかりです。何の飾りもないスーッと伸びる音色の美しさや、木目調の手作りの深い味わいは良い意味でのローカル色が感じられました。オーケストラも十分鳴り切った充実の名演。録音の素晴らしさもあって、凍てつく寒ささえ感じささせ、真摯にして雄大、ギブソンの地味な指揮姿そのものの質朴で男性的な演奏で、これに匹敵するフィーリングはなかなか見つかりません。1989年に来日してNHK交響楽団を指揮、エルガーやヴォーン・ウィリアムス、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲や「スコットランド」を演奏しました。
カレリア組曲 Op.11、交響詩「吟遊詩人」作品64、組曲「歴史的情景」第1番 作品25-3「Festivo」、「クリスチャン2世」組曲。1966年、ステレオ・セッション録音。
GB EMI  HQS1070 アレクサンダー・ギブソン シベリウス…
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