34-13688

商品番号 34-13688

通販レコード→英グレイ・ラベル黒文字盤 GREAT RECORDING OF THE CENTURY

レコード史上記念碑的録音 ― 英EMIの名プロデューサーにしてシュヴァルツコップの旦那であるウォルター・レッグの戦前の大仕事。全世界を対象に発売する目的で、初めて立ち上げられたプロジェクトがレッグ自身がその実現を何よりも渇望していた作曲家フーゴー・ヴォルフの歌曲集だった。エレナ・ゲルハルト、ティアナ・レムニッツ、マルタ・フックス、アレクサンダー・キプニス、ゲルハルト・ヒュッシュ、カール・エルプ、ヘルゲ・ロスヴェンゲ、ヘルベルト・ヤンセン、ルートヴィヒ・ヴェーバー、フリードリヒ・ショルなどといった名歌手たちを使って、1931年から録音が開始され、1938年まで全6巻に分けて発売された。ピアノ伴奏もジェラルド・ムーア、ハンス・ウド・ミュラー、ミヒャエル・ラウヒァイゼンなどといった人々である。当時、ヨーロッパだけでは全く予約数が足りず企画倒れになってしまうところを、日本からの相当数の予約によってプレスが実現したというエピソードは有名だが、それは企画第1巻として1932年に発売されたゲルハルトが歌った分についての話である。あらえびす(『銭形平次』で有名な野村胡堂が音楽レコード評論を書くときのペンネーム)の『名曲決定盤』によると、初回予約目標500組に対して日本から120組の予約が寄せられたとのこと。最終的には200組以上の注文が日本から行ったそうです。それらのレコードは、戦火で焼失したのでしょうか。そのヴォルフを聴かないままで済ますのは、レコード愛好家を自称するには惜しいことである。この「フーゴー・ヴォルフ協会」の成功を受けて、次なる企画として、ベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ」と「協奏曲」の全集がアルトゥール・シュナーベルの演奏で立案された。この企画も日本からだけで2,000組を超える予約が集まり大成功となった。その後は、パブロ・カザルス演奏で、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの「無伴奏チェロ組曲」全曲録音へとなる。さて、ヴォルフだから、そんなに売れたのか。今も昔もヴォルフのブームは変わりはない。つまり上のエピソードは、如何にゲルハルトが偉大だったか、ということである。この企画でもSP6枚組の第1巻まるまる一人で歌っているのは彼女だけなのだから。ドイツが生んだ大リート歌手ゲルハルト(1883〜1961)はライプツィヒ音楽院の学生だった1902年、学長に就任したアルトゥール・ニキシュ(1855〜1922)が彼女がライプツィヒの公衆の前で歌うことを特別に認めた。1903年に音楽院を卒業すると多くの演奏会契約が待っていた。レコード録音は、ニキシュのピアノで1907年からはじまった。以降機械式録音時代、電気録音時代と多数ある。緻密で澄んだ深みのある歌声。〝彼女こそ本当のメゾ・ソプラノ〟という思いがする。高音から低音まで、実に斑のない素晴らしい声である。発声法も、現在の耳で聴いても古めかしさを感じないどころか、横隔膜が完璧に息の流れをコントロールしていることが手にとるように分かる。さらに、技巧らしさを感じさせない巧みな歌い方が、ニキシュの引き締まったピアノ伴奏に引き立てられ、凛とした気品を放っています。48歳頃の録音。さすがに若い頃の声の瑞々しさはありませんが、しっかりした技巧に裏打ちされた達者な歌い方で、ヴォルフの歌曲の良さを引き出しています。ゲルハルトは正規録音の他に1939年に6枚組のアルバム「ブラームス、シューベルト、ヴォルフを歌う」を、さらに大戦後の1947〜1948年にシューマンの歌曲集「女の愛と生涯」をプライヴェート盤として制作し、自身の知人やファンに配り一般販売はされなかった。
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Elena Gerhardt: Hugo Wolf Songs

Side-A
  1. Moerike-Lieder: 8. Begegnung 出あい 1931年11月6日録音 DB1615
  2. Moerike-Lieder: 38. Lied vom Winde 風の歌 1931年11月6日録音 DB1615
  3. Moerike-Lieder: 15. Auf einer Wanderung 旅先にて  1931年11月5日録音 DB1615
  4. Moerike-Lieder: 37. Heimweh (Anders wird die Welt) 郷愁 1931年11月6日録音 DB1616
  5. Moerike-Lieder: 41. Rat einer Alten 老女の忠告 1931年11月9日録音 DB1616
  6. Moerike-Lieder: 7. Das verlassene Maegdlein 捨てられた女中 1931年12月4日録音 DB1618
  7. Moerike-Lieder: 46. Gesang Weylas ワイラの歌 1931年11月6日録音 DB1617
  8. Eichendorff-Lieder: 4. Das Staendchen セレナーデ 1931年11月5日録音 DB1619
Side-B
  1. Spanisches Liederbuch: 9. Herr, was traegt der Boden hier 主よ、この大地に生い立つものは 1931年11月9日録音 DB1618
  2. Spanisches Liederbuch: Nun wandre, Maria 歩みつづけたまえマリアよ 1931年11月6日録音 DB1617
  3. Spanisches Liederbuch: 4. Die ihr schwebet um diese Palmen この椰子をめぐって 1931年12月4日録音 DB1617
  4. Spanisches Liederbuch: 6. Ach, des Knaben Augen ああ幼な児の瞳は 1931年12月4日録音 DB1617
  5. Spanisches Liederbuch: Wenn du zu den Blumen gehst 花のところへ行くのだったら 1931年12月4日録音 DB1619
  6. Spanisches Liederbuch: 12. In dem Schatten meiner Locken わたしの髪のかげに 1931年11月9日録音 DB1616
  7. Italiensches Liederbuch: 1. Auch kleine Dinge ちいさなものでも 1931年11月9日録音 DB1618
  8. Italiensches Liederbuch: 16. Ihr jungen Leute あんたがた戦場へお出かけのおにいさんたち 1931年11月9日録音 DB1620
  9. Italiensches Liederbuch: 10. Du denkst mit einem Faedchen あんたはたった一本の糸で 1931年11月9日録音 DB1620
  10. Italiensches Liederbuch: 12. Nein, junger Herr いえお若いお方 1931年11月9日録音 DB1620
  11. Italiensches Liederbuch: 34. Und steht Ihr frueh am Morgen auf 朝早くベッドから起き出すと 1931年12月4日録音 DB1620
フーゴ・ヴォルフ(1860〜1904)は少々厄介な人物で、子供の時も音楽学校を退学になったり、対人関係が苦手なのか、捻くれてるところがあったり、引きこもりだったり、世間からは「素人作曲家」と呼ばれています。ヴォルフが自分の作品を携えてブラームスを訪ねた時に、もっと音楽の世界を広げた方がよいという助言をもらった。また、ベートーヴェンの作品を研究していたグスタフ・ノッテボームの下で、対位法に習熟するためのレッスンを受けるべきとも言われた。それがヴォルフには自分への批判のように聞こえたため、ワーグナー派とブラームス派との対立に便乗する形となった。また、「クレンペラーとの対話 ピーター・ヘイワース編 [白水社]」の中に、オットー・クレンペラーがマーラーと話している時に「ヴォルフは偉い作曲家だと思います」と口にすると、マーラーが怒ったような表情になったので「失礼しました、私の私見に過ぎません」とか慌てて言い直した、という話が出てきます。マーラーと同じ年に同じく当時のオーストリア領で生まれ、ウィーンで学んだことから名前は目にしますが、作品と悲劇的な最期を別にすれば、ヴォルフの人生は、熱意があっても成功しなかった他の音楽家と大差無かった。感受性に富み、気難しい性格が職業上の成功の妨げになった。収入のほとんどは、批評家達や彼の歌曲を紹介してくれる歌手達といった小さな友人グループの粘り強い努力と、ウィーン・アカデミーのワーグナー協会や1887年にウィーンで設立されたフーゴ・ヴォルフ協会の支援であった。ヴォルフの歌曲は大半が短く、「機智的な恋愛即興詩」で、恋愛に関わる揶揄、嫉妬、揶揄、痴話げんか、献身等々を内容とした短い詩を題材にしています。思い入れが激しい人で、それは人物にも、作品にもなのですが、気に入った詩集があったら一気に大量に書くものだから、ひとつひとつの歌曲集が巨大。その各曲は独立しているので、歌う順番は演奏者が決めるものです。連作歌曲として作曲されたものがあるのかないのか、どの順番でも音楽の流れが馴染むのも不思議な魅力です。果たしてヴォルフは、全曲演奏される機会を想定していたか。全曲演奏を想定はしてないけど、曲順には何かしらの意図があるのか。はたまた、意図なく気が向いた順に並んでるのか。曲順を入れ替えて、新たにストーリーを演出して全曲を聴かせる録音もあり、舞台演出を交えた演奏会もあるのですが、書きなぐったような曲でも、考え抜いて書き上げられたものかもしれません。また話が繋がっているわけではありませんが、流れを感じます。筋道立ててしまうと気恥ずかしく思わせてしまって、機嫌を悪くしてしまうかもしれない。
  • Record Karte
  • 1931年録音。
  • GB  EMI  COLH142 エレナ・ゲルハルト  ウォルフ・歌…
  • GB  EMI  COLH142 エレナ・ゲルハルト  ウォルフ・歌…
  • GB  EMI  COLH142 エレナ・ゲルハルト  ウォルフ・歌…
  • GB  EMI  COLH142 エレナ・ゲルハルト  ウォルフ・歌…
エレナ・ゲルハルト/ELENA GERHARDT
エレナ・ゲルハルト(メゾ・ソプラノ)
Shellman
2012-07-13