GB EMI CFP41 4411 1	ハンドリー ロンドン・フィル ヴォーン=ウィリアムズ・交響曲2番、トマス・タリスの主題による幻想曲
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GB EMI CFP41 4411 1 ハンドレイ ウィリアムズ・交響曲2番

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特にイギリス音楽のスペシャリスト、演奏もいいが、録音はそれ以上にいい。 ― 《タリスの主題による幻想曲》(1910)は個性的なスタイルがしっかり確立した、最初期の作品である。レイフ・ヴォーン=ウィリアムズ(Ralph Vaughan Williams, 1872年10月12日〜1958年8月26日)の看板曲で、とても抒情的で誰もが気に入る曲だ。ヴォーン=ウィリアムズは1872年生まれで、1903年ごろ作曲を始め完成されたのは1910年なので、38歳の時の作品になる。ロンドンの王立音楽大学で作曲を学び、在学中にホルストと知り合い親交を深める。民謡の採集や教会音楽の研究を通して独特の作風を確立し、イギリス人による音楽の復興の礎を築いた。イギリスの田園風景を彷彿とさせる牧歌的な作風は、広くイギリス国民に愛されている。日本では『惑星』で知られるホルストに比べて知名度が低いが、欧米ではホルストより高く評価されている。生涯に9つの交響曲を遺し、また、イングランドの民謡を題材にした作品も多い。1910年「海の交響曲」(交響曲第1番)の初演を指揮した彼は、自身にとって初めてとなる大きな成功を収めた。さらに1914年にジェフリー・トイの指揮で《ロンドン交響曲》(交響曲第2番)が披露されると、彼はさらに大きな成功を手にすることになった。《ロンドン交響曲》は、その想像力の豊かさによって、生き生きとした創造的な外見を誇っている。《ロンドン交響曲》は1912年に着手され1913年に完成しているが、1914年の初演からいろんなトラブルが起こり現在演奏されている稿になるまで紆余曲折があった。初演後1部しかない手書きスコアが郵便事故で失われ、ヴォーン=ウィリアムズは記憶を頼りに原曲を復元したらしい。1915年に復元版の初演が行われたが、その後も改訂版を作り続け現在演奏されているのは改訂第4版のようだ。対位法とか、複旋律とか、多調性とか、作曲語法が希薄な構造で、特徴あるフレーズが順番に現れるといった形を取っている。第4楽章でハープがビッグ・ベンの時鐘を爪弾くところなど、標題音楽を志向している。が、ヴォーン=ウィリアムズはこの《ロンドン交響曲》について「この交響曲は題名から描写的な作品と受け止められるかもしれないが、それは作曲者の意図するものではない。むしろ“ロンドンっ子による交響曲”とした方が適当かも知れない」と述べており、標題音楽ととられることを危倶している。
ヴォーン=ウィリアムズの2大名曲。イギリスの名指揮者による録音が多い同曲だが、ハンドリーの演奏からは音符をそのまま音にすればヴォーン=ウィリアムズの魅力は伝わるはずだ、という信念が感じられる。仕掛けをせずにハッキリとフレーズを提示し、それらをスムーズにつないでいく。変な思い入れは感じられないが、ヴォーン=ウィリアムズ特有の懐かしいメロディはしっとりと歌われているし、全強奏では豪胆と言えるほどの気迫が感じられて気持ちいい。こうした傾向からハンドリーのヴォーン=ウィリアムズはとても分かりやすい。演奏もいいが、録音はそれ以上にいい。ソフトタッチで、透明感があり、音像、音場は自然。意外とレンジが広く、長岡スピーカー向けの優秀録音盤。「トマス・タリスの主題による幻想曲」は1974年録音、「交響曲第2番」は1978年録音、1984年リリース盤。演奏はヴァーノン・ハンドリー指揮ロンドン・フィル。ヴァーノン・ハンドリー( Vernon Handley )は1930年11月11日、英国エンフィールド生まれの指揮者。オックスフォード大学を経て、ギルドホール音楽院でジェームズ・メリットに師事する。1961年プロ・デビューし、1966年からロンドン王立音楽院の教授に就任。エードリアン・ボールトの助手として研鑚を積み、1970年、ロンドン交響楽団を指揮して脚光を浴びる。その後、ロイヤル・リヴァプール・フィル、ロイヤル・フィルハーモニックなどを指揮し、特にイギリス音楽のスペシャリストとして人気が高い。2008年9月10日没。録音にも、シンプソン、アーノルド、ヴォーン・ウィリアムスの交響曲全集などが含まれている。中でもロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団と協演したホルスト「惑星」は高い評価を得ている。ハンドリーの指揮するヴォーン=ウィリアムズは豪放磊落で迫力満点、集中力の高さ、祖国の作曲家に対する思い入れの強さで、際立っていた。
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