34-13524

商品番号 34-13524

通販レコード→英ラージ・ドッグ・セミサークル黒文字盤

オペラ・ファン、テノール・ファンを語るうえで〝必聴盤〟 ― 英国EMI録音のフランス・オペラのレコードを手にとると、トップ・ソプラノの相手役はニコライ・ゲッダばかりといっても過言ではないほどでした。それはフランス・オペラに限りませんで、様々なジャンルの膨大な数の録音を残していますが、当時わたしが興味を持った、主なレパートリーのひとつがフランス・オペラでした。ファウスト(グノーのオペラ)、ホフマン(オッフェンバックのオペラ「ホフマン物語」)、ホセ(ビゼーのオペラ「カルメン」)、ウェルテル(マスネのオペラ)、ロメオ(グノーのオペラ「ロメオとジュリエット」)、ナディール(ビゼーのオペラ「真珠採り」)、ジェラルド(ドリーブのオペラ「ラクメ」)、デ・グリュー(マスネのオペラ「マノン」)、ヴァンサン(グノーのオペラ「ミレイユ」)、ベルリオーズの劇的物語「ファウストの劫罰」、オペラ「トロイアの人々」、宗教的三部作「キリストの幼時」、などなど。そして、そのどれもが素晴らしいものでした。ゲッダの歌声はリリックテノールで、しかも情熱的かつ知的なところが魅力です。知的なイメージを登場人物に感じさせるテノール・ヴォイスで、イタリア・オペラのテノールと違うフランス・オペラの甘美なアリアを、知的にキリリと歌いあげられる稀有な歌手でした。スウェーデン人のゲッダは、7ヶ国語に堪能だったといわれ、だからこそ膨大な数のレパートリーを完成度高く歌えるということからもオファーがあったのでしょうし、熟し切った常人離れした頭脳の持ち主だったのだと思います。その知性が歌に表れています。ゲッダは知性的な歌手であり、自身の声質の適性を見極めて不適当と判断した役柄には手をつけず、ワーグナーでも「ローエングリン」はレパートリーとしましたが、他のワーグナー作品には参加していません。オペラの役柄に制限を課す一方で、オペレッタや、ミュージカル作品には親しみ、リヒャルト・タウバー(1891〜1948, オーストリア出身のテナー。彼の録音は700曲以上あり全て78回転SP、ベスト・セラーも数多く現在でもその価値は失われていません。)の後継者と言われました。またベニャミーノ・ジーリやティート・スキーパからもリリカルな優雅さとデリカシーを継承しています。トップ・ソプラノとの共演でも指名され、マリア・カラス、ヴィクトリア・ロス・アンヘレス、エリーザベト・シュヴァルツコップとのオペラ録音、アンネリーゼ・ローテンベルガーとのオペレッタ録音が残されています。→コンディション、詳細を確認する
ハリー・グスタフ・ニコライ・ゲッダ(Nicolai Gedda)は1925年7月、スウェーデンの音楽ファミリーに生まれました。父のミハイル・ユスティノフはロシア生まれで1928年にはライプツィヒでロシア正教会の合唱指揮者となっています。ゲッダは母方の姓。ゲッダは子供の頃から音楽に親しむ一方、語学の才能に恵まれ、自由に5ヶ国語(ドイツ、英、フランス、スウェーデン、ロシア)を話せたといいます。変声期後、風呂場で軽く高いテナーであることを自ら発見したといわれるゲッダは、プロの道を行くつもりは無く、はじめは銀行員となりましたが、顧客であった王立オペラの演奏者からスウェーデン最高の音楽教師といわれたマルティン・エーマン(Carl Martin Oehman, 1887〜1967)とのコンタクトを勧められ、24歳でエーマンの弟子となり2年後ストックホルムの王立音楽院にスカラシップ付きで入学、本格的に音楽の勉強を開始しました。1952年4月8日、アダンのオペラ「ロンジュモーの郵便屋」主役でデビュー、センセーションはロンドンに伝わり、イザイ・ドブロウェン指揮、ボリス・クリストフ主役のムソルグスキーのオペラ「ボリス・ゴドゥノフ」のドミトリー役で録音の機会を与えられました。彼の高く軽やかなテナーはヨハン・ゼバスティアン・バッハにも適性を認められ、同年のヘルベルト・フォン・カラヤン指揮「ロ短調ミサ」録音にも起用され、15年後にはオットー・クレンペラー指揮の同曲でも起用されることとなりました。ベストがフランスものと言っても、それ以外のレパートリーも全く広大だということです。彼は母語であるスウェーデン語、そしてフランス語のほかにイタリア、ドイツ、ロシア、英語を遣いこなす、まさに語学の天才と言うべき人物で、いずれに於いても大変優れた歌唱を残しています。これだけ遣えれば当然ながらレパートリーは無理なく広げることができます。ところが、彼は自分の声を使いこなす方法を、全くよく心得ていると言えるでしょう。ゲッダはオテロ(ヴェルディのオペラ)とかマンリーコ(ヴェルディのオペラ「イル・トロヴァトーレ」)みたいなあっていない役はあまり歌ってないところにも、エンターテイメント的なサーヴィスを全面に打ち出しながらも決して〝テノール馬鹿〟にならない知性派テノールぶりが伺われるのです。リリカルで柔らかな美声がまずありますが、その音楽語法の豊かさに、目を見張ります。ゲッダの歌を特徴づけているのは、ソット・ヴォーチェの巧みさでしょう。弱音で高音に持っていくときに、非常に柔らかで、繊細な声を出すことができます。糸を引くような、とでも譬えることができる彼独特の技術ですが、この表現を、非常に切ない想いをにさせるようなところで、絶妙に遣います。本盤でのグノーのオペラ《ファウスト》の題名役のアリアや、ビゼーのオペラ《真珠採り》のナディールのアリア、でのppの高音は絶品、オペラ・ファン、テノール・ファンを語るうえで必聴盤です。
Nicolai Gedda, Giuseppe Patanè, Orchestra Of The Royal Opera House, Covent Garden ‎– Popular Arias - Nicolai Gedda
  • Side-A
    1. 「ラ・ボエーム」第1幕 - Che Gelida Manina(冷たい手を) – Giacomo Puccini
    2. 「マノン・レスコー」第1幕 - Donna Non Vidi Mai!(見たこともないすばらしい美人) – Giacomo Puccini 1967年11月15日録音
    3. 「ファウスト」第3幕 - Salut! Demeure Chaste Et Pure – Charles Gounod
    4. 「アフリカの女」第4幕 - O Paradis(おお、楽園よ) – Giacomo Meyerbeer
    5. 「ラ・ジョコンダ」第2幕 - Cielo E Mar!(空と海) – Amilcare Ponchielli 1967年11月12日録音
    6. 「エフゲニー・オネーギン」第2幕 - Faint Echo Of My Youth(どこへ行ってしまったのか、私の青春よ) – Pyotr Ilyich Tchaikovsky
  • Side-B
    1. 「アイーダ」第1幕 - Celeste Aida(清きアイーダ) – Giuseppe Verdi 1967年11月8-9日録音
    2. 「仮面舞踏会」第1幕 - Di´ Tu Se Fedele Il Flutto M´aspetta – Giuseppe Verdi 1967年11月8-9日録音
    3. 「仮面舞踏会」第3幕 - Forse La Soglia Attinse(永久に君を失えば) – Giuseppe Verdi 1967年11月8-9日録音
    4. 「トスカ」第1幕 - Recondita Armonia(妙なる調和) – Giacomo Puccini 1967年11月8&12日録音
    5. 「トスカ」第3幕 - E Lucevan Le Stelle(星は光りぬ) – Giacomo Puccini 1967年11月8&12日録音
    6. 「トゥーランドット」第3幕 - Nessun Dorma(だれも寝てはならぬ) – Giacomo Puccini 1967年11月8-9、12、15日録音
ジュゼッペ・パターネ(Giuseppe Patanè)は、1932年1月1日、イタリアのナポリ生まれ。父はオペラ指揮者としてナポリを中心に活躍したフランコ・パターネ(1908〜1968)。8歳でマスカーニの助手をつとめるなど早熟な才能を示し、ナポリ音楽院を卒業後、19歳の時ヴェルディのオペラ「椿姫」でデビューしたが、1956年までサン・カルロ歌劇場の副指揮者をつとめた。その後、イタリア各地で活躍。1961年からリンツ歌劇場、1962年からベルリン・ドイツ・オペラを中心に主にドイツ・オーストリアでイタリア・オペラの指揮者として活躍。1969年にヴェルディのオペラ「リゴレット」でミラノ・スカラ座にデビューした。1970年代以降、1982年から84年までアメリカ交響楽団の首席指揮者をつとめた以外、世界の主要な歌劇場で指揮したが、1989年5月29日にミュンヘンでロッシーニのオペラ「セビリャの理髪師」を上演中、心臓発作で急死した。最も脂ののった57歳という若さであった。パターネはコンサート指揮者としても優れ、オペラは約250曲を暗譜していたといわれる。だが、録音もほとんどがオペラかアリア集で、実力ほど恵まれなかった。しかし、最後の録音となった「セビリャの理髪師」(1988年)で本領を発揮、そのほかレオンカヴァッロのオペラ「道化師」(1977年)、マスカーニのオペラ「イリス」(1988年)、サン=サーンスのオペラ「サムソンとデリラ」(1973年)なども明解な表現が見事である。
  • Record Karte
  • 1967年11月8-9、12、15日、ロンドン録音。
  • GB  EMI  ASD2445 ゲッダ Popular Arias
  • GB  EMI  ASD2445 ゲッダ Popular Arias
Icon
Nicolai Gedda
Warner Classics
2010-02-22