34-21093

商品番号 34-21093

通販レコード→英ナローバンドED4盤

パ・ド・ドゥは、バレエとしてだけでなく素晴らしい音楽が描き出されています。 ―  〝パ・ド・ドゥ〟は〝2人の踊り〟の意味です。どの曲も構成は同じで、男女2人で踊る「アダージョ」で始まります。その後、男性のソロのための「第1ヴァリエーション」、女性のソロのための「第2ヴァリエーション」が続き、男女が交互に超絶技巧を披露する「コーダ」で締めくくります。18世紀にマリウス・プティパが〝グラン・パ・ド・ドゥ〟の形式を最初に確立しました。女性を引き立てるために男性が支えるというのが「アダージョ」で、男性は跳んだり回ったりせずにサポートする振付(パ)で、アラベスク・ピルエット・高度なリフトなど女性の優雅さを引き出します。その御蔭で女性はつま先だって回っていることができるのです。「第1ヴァリエーション」は男性のソロです。高いジャンプや回転などダイナミックな踊りを披露します。「第2ヴァリエーション」は女性のソロです。つま先立ちをたくさん使った、軽やかで繊細な技を披露します。そして「コーダ」では、男性も大きな跳躍を見せて華やかになります。リチャード・ボニングは、オペラだけでなく最も偉大なるバレエ指揮者の一人でした。主要なロマンティックなバレエは絶賛され、姿を消したバレエの傑作作品の復活にも積極的に演奏・録音を行ってきました。彼は1962年に、英国の花形バレリーナのアリシア・マルコヴァの協力を得て『プリマ・バレリーナの芸術』を録音しています。マルコヴァは、もともとイギリス生まれのバレリーナですが、1924年にディアギレフ率いるバレエ・リュスに入団、その際に名前もロシア風に変えたという人。戦後イギリスに戻り様々な活躍をしました。〝かつてのプリマバレリーナの栄誉を称えよう〟と選曲した、その2枚組の魅力は、ステップのテンポの的確さなど踊りに即した実用価値も高い、プリマ・バレリーナの協力を得た意義の反映した演奏でした。しかも、演奏される機会の少ない珍しい曲もあり、未知の作品に門戸を開くボニングの魅力はこうした作品をオリジナル版で演奏するこだわりにある。その着想、発端から最後の仕上がりまで、ボニングが録音していったその後のバレエ音楽集の数々の素晴らしさは、このときの二人の協力関係に負うところが多いでしょう。本盤のとくに5曲の〝パ・ド・ドゥ〟は、バレエとしてだけでなく素晴らしい音楽が描き出されています。表紙はマーゴ・フォンティーンとルドルフ・ヌレエフの《海賊》の〝パ・ド・ドゥ〟です。40歳を過ぎて一時引退も考えたフォンティーンは、20才も年下の天才ヌレエフをパートナーに得て、それまで経験したことのない名人芸に挑みました。 フォンティーンは、「彼は23歳、私は42歳。23対42のペアなんて見苦しい。でも私が踊らなければ、誰かが彼と踊ってしまう。勇気を振り絞って踊りました。お互いにしのぎを削って、高めあいました。」と言っていました。録音も黄金期のDECCA録音で、大変優秀です。華麗なオーケストラ・サウンドにたっぷりひたれるゴージャスな時間をお届けします。バレエコンサートで踊られることが多い最大の見せ場〝パ・ド・ドゥ〟を中心としたバレエ曲が一杯詰まった楽しいアルバムです。
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リチャード・ボニング(Richard Bonynge)は1930年、オーストラリアのシドニー生まれの指揮者。ジョーン・サザーランドとのおしどり夫婦は有名。ドイツ系のレパートリーは中心には据えていないが、モーツァルトやウィンナ・オペレッタには比較的熱心であり、英国DECCAには夫人とのオペラ録音があります。 一方、バレエ音楽の指揮も得意としており、英国DECCAには珍しい曲目を含めて多数のバレエ音楽録音があります。生地でピアノを学び、14歳でグリーグのピアノ協奏曲を弾いてデビュー、ピアニストへの道を歩んでいた。1950年に渡米、ロンドンの王立音楽院に留学、ロンドンでピアノのリサイタルを開く一方、同じオーストラリアから王立音楽院に留学していたソプラノ歌手、サザーランドとの出会いによってオペラの世界に魅せられ、指揮者に転向する。1954年、名ソプラノ歌手サザーランドと結婚、伴奏者兼ヴォイス・トレーナーを務めながら、ベル・カント・オペラの研究を続ける。この方面で忘れられていた作品の復活蘇演に尽力している。またワーグナー・ソプラノを目指してソプラノ歌手を目指したサザーランドにコロラトゥーラに転向するよう助言したのもボニングで、ロイヤル・オペラ・ハウスが夫人サザーランドにワーグナーやリヒャルト・シュトラウス作品の役を与えようとした時、ボニングは歌劇場当局に抗議したという。1962年にローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団で指揮デビュー、1963年にはヴァンクーバー歌劇場でグノーの歌劇『ファウスト』を振ってオペラ・デビュー、さらにその翌年にはロンドンのコヴェントガーデン王立歌劇場、国際的な活動を開始し、オペラ指揮者として不動の地位を獲得する。1970年にニューヨークのメトロポリタン歌劇場にデビュー、ヴァンクーバー歌劇場を経て、1976~85年シドニー歌劇場の音楽監督を務めた後、フリーとして活躍、バレエのスペシャリストとしても知られている。1975年にメトロポリタン歌劇場に帯同して初来日、1978年にもサザーランド夫人のリサイタルの伴奏指揮者として再来日している。本盤では、バレエの佳品から最大の見せ場を聴かせます。
Drigo, Minkus, Auber & Helsted, Richard Bonynge ✱ London Symphony Orchestra ‎– Pas De Deux (Ballet Music)
  • Side-A
    1. Paquita - Pas De Deux, Composed By – Ludwig Minkus バレエ音楽「パキータ」 – パ・ド・ドゥ – スペインの踊り
    2. Esmeralda - Pas De Deux, Composed By – Riccardo Drigo バレエ音楽「エスメラルダ」 – パ・ド・ドゥ
  • Side-B
    1. Pas Classique, Composed By – Daniel-Francois-Esprit Auber バレエ音楽「パ・クラシーク」
    2. Flower Festival At Genzano - Pas De Deux, Composed By – Eduard Helsted バレエ音楽「ゼンツァーノの花祭り」 – パ・ド・ドゥ
    3. Le Corsaire - Pas De Deux, Composed By – Riccardo Drigo バレエ音楽「海賊」 – パ・ド・ドゥ(編曲:J. ランチベリー)
ステレオ録音黎明期1958年から、FFSS(Full Frequency Stereophonic Sound)と呼ばれる先進技術を武器にアナログ盤時代の高音質録音の代名詞的存在として君臨しつづけた英国DECCAレーベル。第2次世界大戦勃発直後の1941年頃に潜水艦ソナー開発の一翼を担い、その際に、潜水艦の音を聞き分ける目的として開発された技術が、当時としては画期的な高音質録音方式として貢献して、レコード好きを増やした。繰り返し再生をしてもノイズのないレコードはステレオへ。レコードのステレオ録音は、英国DECCAが先頭を走っていた。1958年より始まったステレオ・レコードのカッティングは、世界初のハーフ・スピードカッティング。 この技術は1968年ノイマンSX-68を導入するまで続けられた。英DECCAは、1941年頃に開発した高音質録音ffrrの技術を用いて、1945年には高音質SPレコードを、1949年には高音質LPレコードを発表した。1945年には高域周波数特性を12KHzまで伸ばしたffrr仕様のSP盤を発売し、1950年6月には、ffrr仕様の初のLP盤を発売する。特にLP時代には、この仕様のLPレコードの音質の素晴らしさは他のLPと比べて群を抜く程素晴らしく、その高音質の素晴らしさはあっという間に、当時のハイファイ・マニアやレコード・マニアに大いに喜ばれ、「英デッカ=ロンドンのffrrレコードは音がいい」と定着させた。日本では1954年1月にキングレコードから初めて、ffrr仕様のLP盤が発売された。その後、1950年頃から、欧米ではテープによるステレオ録音熱が高まり、英DECCAはLP・EPにて一本溝のステレオレコードを制作、発売するプロジェクトをエンジニア、アーサー・ハディーが1952年頃から立ち上げ、1953年にはロイ・ウォーレスがディスク・カッターを使った同社初のステレオ実験録音をマントヴァーニ楽団のレコーディングで試み、1954年にはテープによるステレオの実用化試験録音を開始。この時にスタジオにセッティングされたのが、エルネスト・アンセルメ指揮、スイス・ロマンド管弦楽団の演奏によるリムスキー=コルサコフの交響曲第2番「アンタール」。その第1楽章のリハーサルにてステレオの試験録音を行う。アンセルメがそのプレイバックを聞き、「文句なし。まるで自分が指揮台に立っているようだ。」の一声で、5月13日の実用化試験録音の開始が決定する。この日から行われた同ホールでの録音セッションは、最低でもLP3枚分の録音が同月28日まで続いた。そしてついに1958年7月に、同社初のステレオレコードを発売。その際に、高音質ステレオ録音レコードのネーミングとしてFFSSが使われた。以来、数多くの優秀なステレオ録音のレコードを発売。そのハイファイ録音にステレオ感が加わり、「ステレオはロンドン」というイメージを決定づけた。Hi-Fiレコードの名盤が多い。
  • Record Karte
  • 1964年、ロンドン録音。
  • GB DEC SXL6137 ボニング パドドゥー・バレエ音楽集
  • GB DEC SXL6137 ボニング パドドゥー・バレエ音楽集
Minkus: La Bayadère
Universal Music LLC
2015-07-10