34-19454

商品番号 34-19454

通販レコード→英"MADE IN ENGLAND BY THE DECCA" WIDE BAND ED3盤

ベートーヴェンを聴く者にとっても最初に選ぶべきレコード。 ―  文豪・夏目漱石が、明治34年ロンドンに留学していた時にヴィルヘルム・バックハウスを聴いている。同年11月20日付け、寺田寅彥宛て書簡で、漱石は明日の晩は當地で有名なPattyと云ふ女の歌を「アルバート・ホール」へきゝに行く積り。小生に音樂抔はちとも分らんが話の種故此高名なうたひ手の妙音一寸拜聽し樣と思ふと記している。当夜は、お目当てのイタリア人歌手、アデリーナ・パッティのほかにクララ・バットら男女3名の歌唱、ハープとピアノの伴奏、エルディナ・ブライのヴァイオリン独奏、それにバックハウスのピアノ独奏 ― グリーグとリストの小品を弾いている ― と盛り沢山の曲目であったので、個々の演奏がどれほど印象に残ったかは疑問である。鍵盤の獅子王と異名をとる日本でとりわけ人気の高いピアニスト、彼は早くから録音に熱心で、1908年からピアノ・ロールやSPレコードに録音をしている。戦前からSPレコードが輸入され、戦後の1954年には来日して演奏会が催されるなど、古くから日本人にも馴染みの深い存在でした。バックハウスのピアノは言い尽くされている通り、特徴が無いのが特徴といえるでしょうか。要は、テクニックをひけらかすわけでもなく、その澄んだ音色ともあいまって、ひどくシンプルなのです。でも、繰り返し聞いていると何か、そのピアノが、まるで、融通無碍の境地で、自由にベートーヴェンの音符と戯れているように、静かな所は静かに、激しいところは激しく聴こえて来るところが、彼の魅力と言えるでしょうか。このバックハウスを土台からしっかり支えているのが、壮年期で充実しかけたハンス・シュミット=イッセルシュテット。テンポも速く、劇的な演出はどこにもないが、曲が進むに連れて熱気を帯びてくる。当全集はバックハウスにとって二度目のものですが、堅牢な構築性と知的な解釈に裏打ちされた明晰な合理性、そのうえで示される雄大なスケール感と豊かな風格が醸し出す深い味わいは、古くから絶賛の声を浴び続けています。1959〜69年の録音半ばで、演奏会の最中に胸の痛みを訴えて他界。バックハウス晩年のステレオ録音による比類なく美しい名演です。晩年の「ピアノ・ソナタ全集」とともにバックハウスが遺したもう一つの遺産「ベートーヴェン/ピアノ協奏曲全集」。この巨匠にとって最後の「ベートーヴェン・協奏曲全集」になるであろうことを指揮者もオーケストラも噛みしめて、最高のサポートをしています。高名な老巨匠であるから、数えきれない回数演奏を重ねてきたはずですが5曲の協奏曲の個性が活き活きとしている。もちろん「皇帝」が、その名の通りの出来で、山ほどあるレコードの中でも最高峰のうちの一つ。しかし、是非耳を傾け聴きこんで欲しいのがメルヘン的な音楽空間を描き出した1番、2番。1958年ステレオ録音。バックハウスの洗練されたテクニックと、戦前の面影を留めたウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の響きがメルヘン的な音楽空間を描き出した名盤。シュミット=イッセルシュテット指揮ウィーン・フィルが作曲家の青春時代に相応しい希望に満ちたサポートを繰り広げています。第1番のカデンツァやフィナーレ、第2番第1楽章あたりの颯爽として軽快な弾きぶりは、彼の年を忘れさせる程で、新鮮な魅力に満ちています。ベートーヴェンの若さが溢れているし、ベートーヴェンがその当時足場を固めていた煌びやかな社交界の雰囲気も醸し出しているとも思う。シュミット=イッセルシュテットの解釈であろうが、ウィーン・フィルの奏者達のバックハウスへの献身こそが活気を呼び起こしているのかもしれないと常々思います。この巨匠にとって最後のベートーヴェン協奏曲全集になるであろうことを指揮者もオーケストラも噛みしめて、最高のサポートをしています。ベートーヴェンを聴く者にとって最初に選ぶべきレコード。ベートーヴェンを弾く上でピアニストにとっても意識せざるを得ない録音。彼が生涯愛してやまなかったオーケストラ、ウィーン・フィルとのこの演奏もまた、ベートーヴェンの音楽の集大成として今なお不滅の輝きを放ち続けています。指揮を受け持つシュミット=イッセルシュテットも純正なドイツ音楽の響きを十全にオーケストラから引き出しており、まさに三位一体。王道をいく名演といえます。英デッカの録音は、バックハウスとウィーン・フィルのもっともよい響きの勘所を熟知、音圧が高く、音に密度と力がある。高域の空間と伸びは適度。低域は空間が広く、密度のある音。チェロをはじめとする弦楽器も温かい音色で、高低の分離も良いアコースティックな響きを伴って迫ってくる。ピアノの音色は気品に満ち、タッチの一粒、一粒が、その音色の一つ一つの変化が分かるまでに明瞭です。昔から定評あるセットで優れた演奏として信頼度の高さには絶大なものがあります。1958年〜1959年の間に録音された全集ですが、その音質は全く古さを感じさせず、各曲共に統一された音質で時間の隔たりを感じさせません。
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  • Record Karte
    • Tracks A1 to A3 (Piano Concerto 1) recorded 16 - 22 April 1958 in the Sofiensaal, Vienna.
    • Tracks B1 to B3 (Piano Concerto 2) recorded 29 - 30 June 1959 in the Sofiensaal, Vienna.
    • Engineer [Uncredited] – Alan Abel (tracks: A1 to A3), James Brown (tracks: B1 to B3)
    • Producer [Uncredited] – Erik Smith.
    • The original version was released in 1960.
  • GB DEC SXL2178 バックハウス&イッセルシュテッ…
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ベートーヴェン:ピアノ協奏曲1
バックハウス(ヴィルヘルム)
ユニバーサル ミュージック クラシック
2017-12-01

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