34-19380
通販レコード→ワイドバンド ED1盤[オリジナル]

GB DECCA SET242-6 ショルティ ワーグナー・ジークフリート

指環は人類史の一時代が没落してゆく、その発端、その過程、その結末を描いた物語だという人が居ます。そしてワーグナーは指環によって、愛を失い、権力と富のみを追い求める19世紀の資本主義社会を批判したわけですが、その批判は21世紀の現代にもピッタリ当てはまります。ヴォータンは槍の柄を削り出して世界樹を枯らしてしまい、アルベリヒはラインの河底に潜在していた黄金を強奪し、愛を呪って指環を作り上げます。つまり指環には、世界没落の発端は自然収奪・破壊にあるという、毎日新聞紙上を賑せているテーマをワーグナーは19世紀に警笛を鳴らし、そこには贈収賄・企業不祥事・偽造・捏造等々が進捗しない背景にあり、最近では公約違反で話題沸騰の代表選挙で忙しい権力闘争中の某政党はこの指環のストーリーを自らのシナリオとして描いているようです。人間の欲望は何時の世も変らないものだな、とワーグナーがワルハラ城から見下ろしているかもしれない。
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