34-16960

商品番号 34-16960

通販レコード→英 Ace of Diamonds ED4相当盤[オリジナル]

楚々としたシヴォーのソロ ―  おそらくヴァイオリンの音色の美しさで、わたしの幼心に最初に刻み込まれた甘く切ない音。毎朝バスが迎えに来て通っていた幼稚園は音楽教育に熱心で、わたしはオルガンを習っていた。印象に残っている一枚のレコードが、チャイコフスキーのバレエ音楽「眠りの森の美女」。聴き手の心を虜にする、ウィーン・フィルの色鮮やかな音色の素晴らしいカラヤン指揮のDECCA盤。立派なオーディオ・システムの再生音で、幼心が音楽に興味を抱く萌芽を植えつけた。チャイコフスキーのバレエ組曲「くるみ割り人形」とグリーグの劇付随音楽「ペール・ギュントの音楽」も記憶にしているので、ヘルベルト・フォン・カラヤンがウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮したDECCA録音は一式揃っていたろうと思料する。バレエ音楽「白鳥の湖」の音楽は、ウィーン・フィルの艶のある柔らかい弦の響きでこの曲の情感を描き出すのにうってつけですが、特に素晴らしいのは「情景と白鳥の女王の踊り」での、コンサートマスターのヨゼフ・シヴォー(1931〜2007)の暗めで哀愁に満ちたヴァイオリン・ソロと、首席奏者のエマニュエル・ブラベッツ(1909〜1998)のチェロとの旋律の絡み合いは甘く切なくて、この演奏でも随一の聴きものです。「花のワルツ」とともにソリストとしての技量を要求される華麗なハープのソロの後、楚々としたシヴォーのソロは、なんとも心に染みる。楽器は、1694年製ピエトロ・グァルネリウス。1963年12月1日、ウィーン・フィルの団員となり、1965年からコンサートマスターに就任する。1972年前半に退団しているのでステレオ録音時代のウィーン・フィルの響きの中にシヴォーのソロを聴き取る機会は多いだろう。さて、このシューマンとリヒャルト・シュトラウスのヴァイオリンとピアノのためのソナタは、ACE OF DIAMONDS盤が〝オリジナル〟録音。この曲随一の優秀録音盤として知られます。1958年からデッカのステレオ録音のレコードとしてリリースされた、SXLシリーズの廉価再発売シリーズ、SDDシリーズがなかなか侮れない。ブラインド・テストをしてもほとんどの人が同じ演奏のSXL盤と聴き分けがつかないだろう。但し、どちらがいいかのその差は微妙である。SXL盤がより音場感は豊かではあるが、全体の音のまとまりはSDD盤の方がいい。プレス精度が上がり、SDD盤はトレースが安定しているのでノイズ感がなく左右のチャンネルが広いと受け取れる傾向が多い。これはACE OF DIAMONDS盤ならではのコストパフォーマンスと高音質。→コンディション、詳細を確認する
関連記事とスポンサーリンク
第2次世界大戦の潜水艦技術が録音技術に貢献して、レコード好きを増やした。繰り返し再生をしてもノイズのないレコードはステレオへ。ステレオ録音黎明期1958年から、FFSS(Full Frequency Stereo Sound)と呼ばれる先進技術を武器にアナログ盤時代の高音質録音の代名詞的存在として君臨しつづけた英国DECCAレーベル。レコードのステレオ録音は、英国DECCAが先頭を走っていた。1958年より始まったステレオ・レコードのカッティングは、世界初のハーフ・スピードカッティング。 この技術は1968年ノイマンSX-68を導入するまで続けられた。英DECCAは、1941年頃に開発した高音質録音ffrrの技術を用いて、1945年には高音質SPレコードを、1949年には高音質LPレコードを発表した。その高音質の素晴らしさはあっという間に、オーディオ・マニアや音楽愛好家を虜にしてしまった。その後、1950年頃から、欧米ではテープによるステレオ録音熱が高まり、英DECCAはLP・EPにて一本溝のステレオレコードを制作、発売するプロジェクトをエンジニア、アーサー・ハディーが1952年頃から立ち上げ、1953年にはロイ・ウォーレスがディスク・カッターを使った同社初のステレオ実験録音をマントヴァーニ楽団のレコーディングで試み、1954年にはテープによるステレオの実用化試験録音を開始。この時にスタジオにセッティングされたのが、エルネスト・アンセルメ指揮、スイス・ロマンド管弦楽団の演奏によるリムスキー=コルサコフの交響曲第2番「アンタール」。その第1楽章のリハーサルにてステレオの試験録音を行う。アンセルメがそのプレイバックを聞き、「文句なし。まるで自分が指揮台に立っているようだ。」の一声で、5月13日の実用化試験録音の開始が決定する。この日から行われた同ホールでの録音セッションは、最低でもLP3枚分の録音が同月28日まで続いた。そしてついに1958年7月に、同社初のステレオレコードを発売。その際に、高音質ステレオ録音レコードのネーミングとしてffss(Full Frequency Stereophonic Sound)が使われた。以来、数多くの優秀なステレオ録音のレコードを発売し、「ステレオはロンドン」というイメージを決定づけた。
  • Record Karte
  • 1973年リリース。英国DECCAの廉価盤は1960年代初頭より少し前にモノラルのAce of Clubsではじまり、1965年頃からはステレオ録音をAce of Diamondsレーベル(SDDナンバー)として再発売していきます。初回発売SDD101はエルネスト・アンセルメ指揮のベートーヴェン交響曲1・8番。SDD100番台まではレーベルが大きく上部にFull Frequency Range Recordingという表示があります。これらは盤質もワイドバンドと同様なだけでなく、ほとんどの場合ワイドバンドで使われた金属原盤を流用してプレスされているので大レーベルで溝ありと溝なしがあり、音質的にワイドバンドに匹敵するものになっています。殊更に高価なSXL2000番台の再発にあたるものはコレクターズアイテムです。1970年代に入るとSDDシリーズのレーベルも小さくなり、デザインも微妙に変化しています。オリジナルのSXLと別編集のリカッティングになっているものも多く、盤質も低下していてコレクション的な価値は下がります。
  • GB  DEC  SDD401 ヨゼフ・シヴォー シューマン&…
  • GB  DEC  SDD401 ヨゼフ・シヴォー シューマン&…
J.シュトラウスII:チャルダーシュ、ガロップ、カドリーユ、マーチ集
ウィーン国立歌劇場合唱団
ユニバーサル ミュージック
2014-09-17