34-20802

商品番号 34-20802

通販レコード→英 Ace of Diamonds ED2盤

カラヤンのスイーツ詰め合わせ ― 何れも全体に覇気が漲っている快演。その演奏の切れの良さは、まさにこの時代ならではのもの。さまざまなお酒を薄いお砂糖の膜で包んだお菓子、ボンボン。口に入れるとほろりと溶けて、ふわりとお酒の芳香が広がり、そのあとにアルコールの苦味やうまみが感じられる、大人のお菓子です。それは食べる宝石。ヘルベルト・フォン・カラヤンは、覇気が漲っている壮年期に、ジョン・カルショウと英デッカに14枚のコンサート・アルバムを制作した。演奏はどれも迫真の力に満ちた名演揃いで、往年のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団から剛柔両面ひきだした手腕がさすが。スタンリー・キューブリック監督の名作『2001年宇宙の旅』のサウンドトラックに用いられたリヒャルト・シュトラウスの交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』が、記念すべきカラヤンのデッカへの第1弾録音だった。楽団が総勢100人という大構成で演奏する曲でもあり、SPレコード時代から名指揮者の名演盤が数多い。当時のデッカによる〝ffss〟録音の優秀さはカラヤン自身をも驚嘆させたと伝えられています。〝Karajan Bon Bons〟全曲盤のために録音された喜歌劇「こうもり」序曲とバレエ音楽。チャイコフスキーの3大バレエ、グリーグの劇付随音楽「ペール・ギュント」を抜粋した、本盤は、カラヤンのスイーツ詰め合わせ。ステレオ初期の録音にもかかわらず、デッカの優秀な技術により音質が良い。そして壮年期のカラヤンの演奏が若い。「颯爽と」という表現がピタリとはまっている。収録されている曲も多種多様でこれらデッカ・レコーディング一組でしばらく楽しめると言ったら言い過ぎだろうか。実際、そう推薦していた時期もあります。カラヤンやカルショウ・ファン必携アイテム。喜歌劇「こうもり」序曲は全曲盤を含めて9回録音をしている。そして、《こうもり》という娯楽作を一流の芸術作品にまで引き上げた手腕は、さすがという他はない。ザルツブルク生まれでウィンナ・ワルツにも精通していたカラヤンならではのスケール感やリズムの切れ味、洒落た表情などに満ちたひとときが味わえる演奏です。チャイコフスキーの3大バレエ音楽、グリーグはウィーン・フィルの魅力もでた名演。カラヤン&ウィーン・フィルも実に躍動感溢れる演奏を行っており、ウィーン・フィルが腰の据わった雄弁な表現をしていて全く申し分なし。なんと艶やかな洗練された音でしょうか。そして、それを自分が意のままにできるウィーン・フィルという最高の楽器によって実現出来たのである。そうした姿勢がアンチカラヤンを作ってしまったのだろうが、カラヤンがやってきたことは他の指揮者は出来るのだろうか?
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第二次世界大戦は日本軍の無条件降伏、ポツダム宣言で集結したが終わっていない戦いもあった。戦後、ヴィルヘルム・フルトヴェングラーの勢力下、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で演奏することさえ制限されたヘルベルト・フォン・カラヤン。そこへ救いの手を差し出したのが英国EMIの名プロデューサー、ウォルター・レッグだった。カラヤンのレコーディング専用オーケストラ、フィルハーモニア管弦楽団でたくさんのレコードを発売。劇場での指揮は出来ずとも、レコードでカラヤンの名前は全世界に知られるようになる。ただカラヤンの悪い虫が騒いだというのか、オーディオへの関心を深めることになった。そして彼はステレオ録音を希望したが、折り悪く英国EMIの経営陣はステレオ録音に懐疑的だった。不満を払拭できないままカラヤンはEMIとの契約更新を曖昧に引き伸ばしていた。そうこうしていると、フルトヴェングラーが急死。カラヤンはウィーン・フィルに復帰できた。以来、名門ウィーン・フィルとも生涯深い関係を築く事になるのだが、しかし、ウィーン・フィルは英国DECCAと専属関係にあったので、カラヤン指揮ではレコードを作れない。そこに接近してきた英国DECCA社では、1959年にEMIと契約の切れたカラヤンと契約。そのことでカラヤンは、この愛すべきオーケストラとの録音をドイツ・グラモフォンではなく、イギリス・デッカと行いました。結果、1960年代に残されたものは、どれもが名盤と呼ぶにふさわしいもので、LP発売以来、長らくファンに愛され続けてきました。
広く親しまれた名曲を最高の演奏でレコード化することに情熱を傾け続けたヘルベルト・フォン・カラヤンの姿勢は、このアルバムにも端的に示されています。とにかくダイナミックスの幅が広く鮮やかで迫力満点。牧歌的な部分から迫力ある部分まで表現の幅が広く、リズムも引き締まっています。1960年はカラヤンがウィーン国立歌劇場の監督をしていた、名実ともにヨーロッパの楽壇の帝王であった全盛時代の名演である。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の持ち味を最大限活かして、蠱惑的な響きで聴き手の耳をくすぐる。ウィーン・フィルの奏でる美音は、豊麗にして精妙無比、まさに耽美の極みです。そして、どうもこの一連のデッカ録音にはカラヤンらしさが良くも悪くも感じられないのだ。どの曲も一筆書きのような勢いがあるところが良さであり、カラヤンらしい緻密な構成感が後退しているところ、1960年代のカラヤンのものがダントツに面白い。デッカに録音をする直前に、棚ぼた的にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と予定されていた録音を消化したが、それは前任者の亡霊に悩まされた時期でもあった。1954年にドイツ音楽界に君臨していたヴィルヘルム・フルトヴェングラーの急逝にともない、翌55年にカラヤンは、ついにヨーロッパ楽壇の頂点ともいえるベルリン・フィルの首席指揮者の地位に登りつめた。ここで英EMIの親分レッグとカラヤンの関係は終止符を打つが、この約10年間に残したウォルター・レッグ&カラヤン&フィルハーモニア管弦楽団のレコードの数々から嫌と言うほど学んだカラヤンは1959年以降、この手兵らとともにドイツ・グラモフォンに膨大な数の基準レコード作りに邁進した。演奏はオーケストラに合奏の完璧な正確さを要求し音を徹底的に磨き上げることによって聴衆に陶酔感をもたらせ、さらにはダイナミズムと洗練さを同時に追求するスタイルで完全主義者だったレッグのノウハウが100%ドイツ・グラモフォンに流出したと言っても良いのではと憶測されるほど。デッカ・レコーディングの魅力を列挙しますと、〈カラヤンと当時、関係良好だったウィーン・フィルとの録音〉、〈カルショウお気に入りだったリング収録場所、ウィーンのソフィエンザールでの録音セッション〉。壮年期のカラヤンの溌剌とした指揮と名門オーケストラのいぶし銀のような演奏が絶妙に絡み合った白熱の演奏です。このあと彼らは〝カラヤンらしい緻密な構成感で〟ウィーン・フィルを指揮した名演をドイツ・グラモフォンに数多く遺していきました。

Wiener Philharmoniker, Herbert von Karajan ‎– Karajan Bon Bons

Side-1
  1. Excerpts From "Nutcracker"
  2. Excerpts From "Swan Lake"
  3. Excerpts From "The Sleeping Beauty"

Side-2
  1. Die Fledermaus - Overture And Ballett Music
  2. Excerpts From "Peer Gynt"
ステレオ録音黎明期1958年から、FFSS(Full Frequency Stereo Sound)と呼ばれる先進技術を武器にアナログ盤時代の高音質録音の代名詞的存在として君臨しつづけた英国DECCAレーベル。レコードのステレオ録音は、英国DECCAが先頭を走っていた。1958年より始まったステレオ・レコードのカッティングは、世界初のハーフ・スピードカッティング。 この技術は1968年ノイマンSX-68を導入するまで続けられました。斯くて、1965年までカルーショーが後世に伝えるに相応しいカラヤン&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の名盤をこの6年間で製作することになる。制作は英DECCAのジョン・カルーショー、エンジニアはジェームス・ブラウン&ゴードン・パリーの二頭立てという『ショルティの指輪』制作陣がそのまま担当するという力の入れよう。後世に語り継がれるオペラを、ウィーンのソフィエンザール(カルーショーがお気に入りだったリング収録場所)で着手。その録音セッショッンの合い間にカルーショーは有名管弦楽曲の録音。何れも全体に覇気が漲っていて、弦も管も美しく技巧的にも完成度は高い名盤を量産。後のEMIやDGGのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団盤にはない魅力タップリのまったく聴いていてダレるような箇所がない。ヘルベルト・フォン・カラヤンの指揮する曲は概して大胆さや迫力にプラスして、丁寧でかつ美しいということです。とりわけ、ゆっくりのテンポの美しい旋律は、カラヤンの最も得意とする部分だと思います。例えば、怒濤のような旋律の中で、ぱっと花が咲くように美しいメロディーが流れる。この点にかけては、カラヤンは見逃さず見事に再現している。彼一流の粘り、盛り上げはすでに十分。
ヨーロッパの音楽界を文字通り制覇していた「帝王」カラヤンとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と、ドイツでの拠点を失ってしまった英H.M.V.の代わりとなったドイツ・エレクトローラとの共同制作は、1970年8月のオペラ『フィデリオ』の録音を成功させる。カラヤンのオーケストラ、ベルリン・フィルの精緻な演奏は、ヘルガ・デルネシュ、ジョン・ヴィッカースの歌唱を引き立てながら繊細な美しさと豪快さを併せ持った迫力のある進め方をしています。有名なベートーヴェンのオペラが、ただオペラというよりオラトリオのように響く。カラヤンは1972~76年にかけてハイドンのオラトリオ『四季』、ブラームスの『ドイツ・レクイエム』、さらにベートーヴェンの『ミサ・ソレムニス』という大曲を立て続けに録音しています。ドイツ、オーストリアの指揮者にとって、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスは当然レパートリーとして必要ですが、戦後はワーグナー、ブルックナーまでをカバーしていかなくてはならなくなったということです。ヘルベルト・フォン・カラヤンが是が非でも録音をしておきたいワーグナー。当初イースターの音楽祭はワーグナーを録音するために設置したのですが、ウィーン国立歌劇場との仲たがいから、オペラの録音に懸念が走ることになり、彼はベルリン・フィルをオーケストラ・ピットに入れることを考えました。カラヤンのオペラにおける英EMI録音でも当初はドイツもの(ワーグナー、ベートーヴェン)の予定でしたが、1973年からイタリアもののヴェルディが入りました。英EMIがドイツものだけでなく、レパートリー広く録音することを提案したようです。この1970年代はカラヤン絶頂期です。そのため、コストのかかるオペラ作品を次々世に送り出すことになりました。オーケストラ作品はほとんど1960年代までの焼き直しです。「ベルリン・フィルを使って残しておきたい」というのが実際の状況だったようです。この時期、新しいレパートリーはありませんが、指揮者の要求にオーケストラが完全に対応していたのであろう。オーケストラも指揮者も優秀でなければ、こうはいかないと思う。歌唱、演奏の素晴らしさだけでなく、録音は極めて鮮明で分離も良く、次々と楽器が重なってくる場面では壮観な感じがする。非常に厚みがあり、「美」がどこまでも生きます。全く迫力十分の音だ。ベルリン・フィルの魅力の新発見。そして、1976年にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団から歩み寄り、カラヤンとウィーン・フィルは縒りを戻します。カラヤンは1977年から続々『歴史的名演』を出し続けました。この時期はレコード業界の黄金期、未だ褪せぬクラシック・カタログの最高峰ともいうべきオペラ・シリーズを形作っています。カラヤンのレコードでは、芸術という大目的の下で「人間味」と「完璧さ」という相反する引き合いが、素晴らしい相乗効果を上げる光景を目の当たりにすることができる。重厚な弦・管による和声の美しさ、フォルティシモの音圧といった機械的なアンサンブルの長所と、カラヤン個人の感情や計算から解き放たれた音楽でもって、音場空間を霊的な力が支配しており、聴き手を非現実の大河へと導く。
1966年リリース、ウィーン、ゾフィエンザールでのステレオ・セッション。プロデューサー:ジョン・カルーショー、エンジニア:ジェームス・ブラウン&ゴードン・パリー。
GB DEC SDD150 カラヤン&ウィーン・フィル Bon Bo…
GB DEC SDD150 カラヤン&ウィーン・フィル Bon Bo…
伝説のデッカ・レコーディング(9CD)
Karajan カラヤン
Decca *cl*
2008-01-31