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GB DECCA LXT6316 ブリテン&ピアーズ 自作・イリュミナシオン

商品名GB DECCA LXT6316 ブリテン&ピアーズ 自作・イリュミナシオン

インディーズ映画の名監督のような作曲家》 ハリウッド映画のような大衆性の持ち主ではないですが、世界中に熱烈なファンが居ますし、ブリテンに初めて触れた人が、やがて熱心な聴き手と化すケースも少なくない。聞く前には『ブリテンって小難しい?』んじゃない、と思っても聞き終わると気持ちが一転する。ブリテンの音楽の力が無理なくストレートに伝わったのでしょう。2016年6月に東京都交響楽団と共演したテノール歌手、イアン・ボストリッジのインタビューで『イリュミナシオン』の魅力が語られているのが分かりやすい。ブリテンはなぜこの詩作に曲をつけたのでしょう?確かに、《イリュミナシオン》では、曲ごとに内容がばらばらで抽象的ですね。でも全体的な統一感は強く、聴けば聴くほどブリテンの音の宇宙に魅了されます。《イリュミナシオン》は、もともとソプラノの為に書かれた曲ですが、男声の方が力強い表現が出来るので今はテノールが歌います。インタビューでは歌い手としての曲の魅力の伝え方の工夫が軸にありますが、その部分以外でも、この歌曲集の多種多様な世界観の面白さがわかります。まず、ブリテンと言えば近代イギリスの大作曲家ですが、オペラに名作が多いものの交響曲は書かなかったので、管弦楽の愛好者層には馴染みが薄い向きも居られるかもしれません。でも、彼を『インディーズ映画の名監督のような作曲家』と評する人も多いのです。ブリテンは少年期からフランス語に曲をつけていましたが、《イリュミナシオン》は彼が渡米しニューヨーク郊外で暮らした時期の作です。ランボーが『イリュミナシオン』の原稿を纏めたのもドイツ滞在中ですね。だから、二人の間には、異境の地で作品を書いたという共通項が存在しますし、ブリテンも異国の大都市に住む歓びと恐怖がないまぜになる中で、ランボーの詩と自分の心を共振させたのかもしれません。彼の詩は音声自体が音楽的ですね。言葉だけで音楽のような響きが生まれるのです。内容は確かに謎めいていますが、詩人のイメージの塊には意味が明確でない場合も多く、そういった曖昧さも、この詩が音楽と合わさっても成り立つ理由の一つでしょう。終曲の〈出発〉ですが、題名とは裏腹に、最後の和音は重くて暗いです。曲が完成した日付は、ドイツのポーランド侵攻の直後でした。時代が作品に及ぼした影響の一例でしょうか。ブリテンのオーケストレーションはマーラーの系譜に連なるもの。この曲でも弦しか使っていないのに、音色がそれはカラフルで目も眩むかのようです。ハーモニクス(倍音)もバイトーナリティ(複調)も用い、時には尖った響きも出てきたり。まさに、音色の宇宙として楽しんで頂ければと思います。
GB DEC LXT6316 ブリテン&ピアーズ 自作・イリュミナシ…
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