《チェロの女傑 ― 豪快に音を鳴らす演奏ぶりで無く、ネルソヴァの音楽は親密であり、まさに琴線に触れる。》 骨太でスケールが大きい演奏で聴き手を虜にしてしまう偉大なチェリスト、20世紀に活躍した女性チェリストの中で、ジャクリーヌ・デュ・プレ(1945-1987)の存在があまりにも大きく、同時代の女性チェリストが影をひそめてしまいますが、ザラ・ネルソヴァ(1918-2002)は、デュ・プレが誕生する以前からソロで活躍していた女性チェリストとして数少ない存在です。ネルソヴァの演奏を聴き感銘を受けたバルビローリがカザルスを紹介し、カザルスよりレッスンを受ける機会を得たり、ピアティゴルスキーやフォイアマンといった世界の名だたるチェリストから薫陶を受けるなどしてソロのチェリストとしての確固たる地位を築き、戦後はイギリスを中心に欧米で活躍しました。ネルソヴァはブロッホから無伴奏チェロ・ソナタの献呈を受け、エルガーのチェロ協奏曲の演奏で有名でした。1951年モノラル録音、ドヴォルザークのチェロ協奏曲は、この曲を聴くときに通常期待してしまう雄大なスケール感とか深々とした響きとか、あるいは郷愁漂う歌い口とかいった演奏とは異なり非常に耳あたりの良い親密さを感じるもので、静かな語り口の中にも巧まず滲み出るような自然な歌心があって惹き付けられます。豪快に音を鳴らす演奏ぶりでなく、まさに琴線に触れてくる。大げさな身振りがない分だけ細かいところまでコントロールが行き届く感じで、華やかな演奏効果にも欠けておらず、必要な表現力は十分に備えています。非常に反応の良い、彼女の胸の動きも感じられる素直に幸福感を楽しめます。録音も、かなり明瞭で、それもあってか芯のしっかりした感じのするもので程良い張りと艶がある。ロマン派・近現代音楽を得意にしたのは、いかにも20世紀に活躍した女流演奏家たちの特権。チェロの女傑の異名を持ち、1726年製のストラディヴァリウス「コルボロン侯爵」を思うがままに操りました。英デッカの再発売シリーズであるエース・オブ・クラブ( Ace of Clubs )で初めて世に出た録音はエーリヒ・クライバー、ウィーン・フィルとの『英雄』を代表して多くあります。
GB DEC LXT2727 ザラ・ネルソヴァ&ヨーゼフ・ク…
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