34-15751
商品番号 34-15751

通販レコード→ 英レッド・レーベル黒文字盤
二人のピアニストが演奏しているというのを忘れさせる ― 息のあったピアノの技術、イメージしている音楽が一致している芸術性高い、ピアノ・デュオの理想を堪能できる。統一された印象が残る、このレコードは二人のピアニストが厳密な調和で、一連の鍵盤を弾くことが如何に超難度であることかを忘れてしまう。 ― アメリカ、カナダを中心に活動し、イギリスとヨーロッパ各地で数多くのコンサートを行い、中東都アジアでツアーをしたピアノ・デュオ、ジーン・ウェントワース&ケネス・ウェントワースの録音について American Record Guide は書いている。
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シューベルトはエステルハージ伯爵家の2人の娘にピアノを教えるため、1818年と1824年の2回、ハンガリーのジェリズに赴いた。その際、教育かつ娯楽のために多く作曲されたのがピアノ連弾曲だった。1824年7月に作曲された、この《大二重奏曲(グラン・デュオ)》と呼ばれる4手ピアノ・ソナタも、そのひとつであるが交響的な構成をもつ4楽章制の大作品である。社交界ではサロンでの演奏会がトレンドになりつつあった当時は連弾曲も公開演奏会で取り上げられる機会が増えていたため、気楽な連弾曲というよりむしろ、そうした場での演奏も視野に入れていたとも考えられる。いずれにせよ、この作品の規模の大きさと雄大さのために、ロベルト・シューマン(1810〜56)は交響的な作品であると評価し、実際、シューベルト作品に親しんでいたヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒム(1831〜1907)は、1855年にこの作品をオーケストラ編曲している。
初期はイギリス音楽に特化していた「シャンドス」(Chandos)レーベルの名称は、ヘンデルが宮廷作曲家として使えたジェイムズ・ブリッジス(第1代シャンドス公爵)に由来する。1979年に、イギリスの実業家ブライアン・カズンズが、発売されたばかりのソニー製PCM録音機を使っての自主制作を行なった。とくに、その専用の録音施設と高い技術から生み出される優れた音質には定評があり、1983年以降、CDの一般への普及とともに、シャンドスはその業績を急激に伸ばしていった。サウンドにおいては、同時期に立ち上がったテラークと比較されることの多いシャンドスだが、ワンポイントではなくデッカ譲りのマイク・アレンジを駆使し、豊かなホールトーンと繊細なオーケストラ・イメージを描いている。デジタル黎明期に成功を収めた新興レーベルの雄としてのイメージが強いが、社長でありプロデューサーのカズンズがカタログ・ラインナップから音作りまで一貫して管理し、厳密にシャンドスのレーベル・イメージを作り上げてきた。母体は1963年設立のバンド・ミュージックの出版を手がけるシャンドス・ミュージック及び1970年設立のシャンドス・プロダクションズで、クラシック・フォー・プレジャーのほか、もっぱらRCAのイギリスのクラシック音楽を対象としたレーベルのためにLP制作を手がけていた会社で、カズンズはフリーの音楽プロデューサー兼エンジニアとしてその業務を行っていた。1979年にRCAがロンドンにおける業務から撤退したことに伴い設立された、ヴィンテージ・レコード・ファンがデッカや、H.M.V.の音作りを思い出すのが納得できる。
1984年リリース、1983年6月ロンドン、セント・ジョージ殉教者教会でのセッション、ステレオ録音。
GB Chandos ABRD1093 ジーン&ケネス シュ…
GB Chandos ABRD1093 ジーン&ケネス シュ…