34-23920

商品番号 34-23920

通販レコード→英ロイヤルブルー銀文字盤 超レア盤

〝チェロを軽々とヴァイオリンのように扱う〟 ―  ハンガリー出身の天才チェリスト、ヤーノシュ・シュタルケルの比類なきテクニックと豊かな音楽性が、ワルター・ジュスキント指揮、フィルハーモニア管弦楽団との競演に溢れます。シカゴ交響楽団で首席チェロ奏者の座を歴任、その後ソリストに転向したシュタルケル40歳代の録音。若き日のシュタルケルの豪放にして繊細な芸術が堪能できます。よく大きいチェロを軽々とヴァイオリンのように扱うと揶揄された典型例か。曲はドヴォルザークの《チェロ協奏曲》にフォーレの《エレジー》。録音は1956年、EMIの最初期ステレオ録音です。シュタルケルのチェロは、その圧倒的な技術をことさらひけらかせるような事をせず、また過度にロマンティックに弾くようなこともせず、忠実な音楽の下僕のように弾いていることで、ドヴォルザークやフォーレの音楽性を浮き立たせるような、そんな名演奏です。このイギリス・コロムビア盤ではまるで即興演奏のライブ録音のようです。この曲に楽譜があることを疑わせるほど、すべての音がシュタルケルの霊感から生まれていて、音楽が今まさに誕生する瞬間に立ち会うことができます。一挺のチェロの限界を大きく押し広げ、さらにそれをも大きく超えた演奏のように聴こえます。ジュスキントとフィルハーモニア管は、独奏者を上手く引き立たせる堅実な伴奏をしている。フォーレの《エレジー》は、ピアノ伴奏で弾かれる場合は多いが、管弦楽伴奏版は、スケールが大きく、管弦楽版の方が、悲しさ、厳粛さがより表現されている。ドヴォルザークの《チェロ協奏曲》は、1962年頃にアンタル・ドラティ指揮ロンドン交響楽団とMercuryレーベルに録音を行っている。こちらがよく知られている演奏だろう。EMIの最初期ステレオ録音を実盤で聴くことが第一ですが、ステレオ効果をデモンストレーションしようとMercuryレーベル盤は、コンサートホールの前の方で聴く感じとすれば、この盤はとても響きの良いホールでそれよりやや後方で聴く感じである。Mercuryレーベルとは見処が違い、オーケストラと独奏チェロの響きが自然で、とても好ましく味わえる。豪快さを前面に出している演奏ならばある程度はザックリとパワフルに鳴らせば、そこで奏者がやろうとしていることはそれなりに分かるのですが、〝チェロを軽々とヴァイオリンのように扱う〟シュタルケルに期待するところもあるのでしょうが、意外なくらい「艶」や「色気」も希薄。 シュタルケルはこの協奏曲に室内楽的な精緻さ、オーケストラそれぞれの楽器がもたらすハーモニーの美しさのようなものを求めているようです。この作品はドヴォルザークのアメリカ滞在時の作品で、ネイティブ・アメリカンの音楽や黒人霊歌などに特徴的な5音音階の旋律法が色濃くあらわれています。しかし、それらのアメリカ的な要素がドヴォルザークの故郷であるボヘミアの音楽と見事に融合している。レコード鑑賞会で何度か解説しましたが、民族のるつぼであるアメリカ大陸には、ドヴォルザークの故郷の住民も移民として入っていたのです。その事に関しては、芥川也寸志が〝史上類をみない混血美人〟という言葉を贈っているのですが、それがただの異国趣味にとどまっていない。ブラームスに「ハンガリー舞曲」の名曲がありますが、その第3集の主題はブラームスの創作。ドヴォルザークは、この「ハンガリー舞曲」第4集を管弦楽用に編曲していて、ドヴォルザークに「スラヴ舞曲集」を作曲して収益を得るように助言したが、もっとも彼は編曲ではなく、民族舞曲の性格と特徴を取り入れ、自作の主題によって曲集をまとめ上げた。この曲も、それと同じやり方でアメリカ的要素やボヘミヤ的要素はあくまでも「要素」であり、それらの民謡の旋律をそのまま使うというようなことは決してしていない。民謡の旋律をそのまま拝借しなくても、この作品にはアメリカ民謡が持つ哀愁とボヘミヤ民謡が持つスラブ的な情熱が息づいているのです。メロディーメーカーとしてのドヴォルザークの資質と歌う楽器としてのチェロの特質が見事に結びついた美しい緩徐楽章の主題はドヴォルザーク自身の歌曲「一人にして op.82-1」によるものです。また、ドヴォルザークの管弦楽作品は、2管編成にこだわっていましたが、この作品においては控えめながらもチューバなどの低音を補強する金管楽器を追加していることです。その事によって、この協奏曲には今までにない柔らかくて充実したハーモニーを生み出すことに成功しているのです。シュタルケルが聴かせたかったのはそういう面ではなかったか。フォーレの《エレジー》をともに録音していることもあって、なおのこと思われるのです。しかし、そう言うことをこのレコードからはっきりと感じ取れるためには、再生システムに並々ならぬクオリティが求められるのです。そして、そのことに気づけば、この演奏は必要にして十分なだけの大きさも持っていることを納得するのです。
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  • Record Karte
  • ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調 Op.104、フォーレ:エレジー ハ短調 Op.24、1956年6月11,12,16,17日ロンドン、キングズウェイ・ホール録音
  • GB COL CX1477 シュタルケル・ジュスキント・フィルハモニ…
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ヤーノシュ・シュタルケル(Vc) EMI録音全集 6枚組
ヤーノシュ・シュタルケル
EMI KOREA
2013-07-17

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