34-18025
通販レコード→ハーフ・ムーン、マジック・ノーツ盤、ダーク・ブルー金文字盤混合

GB COLUMBIA CX1781-2 オットー・クレンペラー ブラームス・「ドイツ・レクイエム」

商品番号 34-18025
欧米の音楽家が演奏を解釈する時に宗教の有り様は大きいと思われる。ユダヤ人であることでブルーノ・ワルターは命からがら渡米している。オットー・クレンペラーはユダヤ教から改宗している。そのことを問われて「いやいや、私たちには子供が二人います。アメリカで俳優をしているブルーノと、ここにいるロッテです」と言葉を濁しているので、カトリック教を選んだ本位はわからない。しかし、祖国イスラエルへの想いは強かったことも伝わっている。この「ドイツ・レクイエム」のタイトルには第二次世界大戦中には意味合いが変わったのだろうが、ブラームスが母親の死を悼んで作曲したラテン語の鎮魂歌の歌詞を借りた私的な思慕の想いで生まれた名曲。葬儀のための音楽ではなく、死、喪失感といったことよりも再生を予兆させる、どこか慰めに満ちた音楽です。「死は勝利にのまれた。死よ、おまえの勝利はどこにあるのか。死よ、おまえのとげはどこにあるのか。」と戦争や紛争の虚しさを説いている。英 EMI の偉大なレコード・プロデューサー、ウォルター・レッグの信条は、アーティストを評価するときに基準となるようなレコードを作ること、彼の時代の最上の演奏(録音)を数多く後世に残すことであったという。クレンペラーは、それに良く応えた。本盤も、そのような基準盤の一枚で、レッグの意図する処がハッキリ聴き取れる快演だ。クレンペラーの解釈は揺るぎのないゆっくりしたテンポでスケールが大きい。ゆったりとしたテンポをとったのは、透徹した目でスコアを読み、一点一画をおろそかにしないようにとも思いたくなる。この気迫の籠った快演は聴き手に感動を与えずにはおきません。また何度聴いても飽きません。フィルハーモニアはまさにクレンペラーの為にレッグが作り出した楽器だと言う事、しみじみと感じました。アメリカや日本では二枚組は見開きジャケットになるが、イギリス盤は一枚ものが、それぞれにジャケットに入っている。ジャケット裏の解説は、一枚目、二枚目と書き分けられている。BOXか、見開きジャケットがいいかは好みの問題ながら、購入時の店頭在庫との都合もあり、ラベルがちぐはぐな取り合わせにもなる。
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