34-11810
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FR VSM C069-11698 ミシェル・ベロフ ストラヴィンスキー・ピアノ協奏曲

《情熱と理性の調和。フロント(ソロ)と大きな力(オーケストラ)の鬩ぎ合いではなく、お互いが融け合って進む方向を作る小澤の音楽作りがそのまま生きている。》 大きなオーケストラに唯一人対峙する指揮者。欧米の名門オーケストラを若いうちから指揮する機会に恵まれたのは、小澤征爾が物珍しい東洋人であったからだろう。NHK交響楽団や日本フィルとの事件は彼の指揮者として目指していくスタイルを確信させた。欧米のクラシック音楽の中心にはドイツ音楽精神が根強い。小澤の得意のレパートリーは何か、何と言ってもフランス音楽、そしてこれに次ぐのがロシア音楽ということになるだろうか。それは近年の松本でのフェスティバルでもフランス音楽がプログラムの核であることでも貫かれている。ロシア音楽について言えば、チャイコフスキーの後期3大交響曲やバレエ音楽、プロコフィエフの交響曲やバレエ音楽、そしてストラヴィンスキーのバレエ音楽など、極めて水準の高い名演を成し遂げていることからしても、小澤がいかにロシア音楽を深く愛するとともに得意としているのかがわかるというものだ。ストラヴィンスキーの「ピアノと管弦楽のためのカプリッチョ」「ピアノと管楽器のための協奏曲」は、第1次世界大戦が終わり、その解放感からヨーロッパ全体が興奮状態にあった時期にかけて作曲した、華やかでノリの良い知られざる傑作。ストラヴィンスキーの数少ないピアノ協奏曲で、新古典主義時代に手懸けた数々のピアノ曲を代表する作品でもある。自分でピアノを弾くことで大きな収入源となることを当て込んでいたらしい。ミシェル・ベロフがまだ、20歳代前半の演奏。一方、小澤征爾が30代の本当に脂の乗り切った時期で、互いに丁々発止の演奏が息を呑むよう。人間味溢れる両者の鬩ぎ合いに、オーケストラが生き物のように反応するのがすばらしい。バッハや、ベートーヴェンだと様式だとか、慣習だとかが足枷になりますが、ここではそうした柵を開放して自分たちのスタイルを貫いているのもいいものです。ミシェル・ベロフとジャン=フィリップ・コラールとのデュオのレコードを解説した時にも説明しましたが、この時期のベロフはことさらに素晴らしい。ソロも指揮者もオーケストラも、アグレッシヴで瑞々しい感性を持ち合わせていた頃の芸風を知るには恰好の一枚。1971年10月録音。
FR  VSM  C069-11698 ミシェル・ベロフ ストラヴィ…
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