FR  PHILIPS  6514 098 ネヴィル・マリナー オッフェンバック・序曲集
通販レコード→仏レッド銀文字盤 ― Trésors Classiques

FR PHILIPS 6514 098 ネヴィル・マリナー オッフェンバック・序曲集

ブーレーズとメータの最近の演奏会を、夕べのBSで組み合わせて放送していた。最早最高齢巨匠グループか。ピエール・ブーレーズは電子音響を得意とする現代音楽の作曲家として登場して、自作の録音をレコード会社に売り込んでレコード発売に結び付けるとともに近代、現代音楽を指揮したレコードは新鮮でよく売れた。ズービン・メータはインド生まれを武器に、東洋人で最大の成功者。1960年代から2人は欧米のメイン・レーベルから売れるレコードを世に出し続けた。気が付くと前衛と言われた彼らが最高齢マエストロとして君臨している現代だ。これに指揮者としての活動が今ではメインのズーカーマンがベートーヴェンの協奏曲で独奏したが、ソロが登場するより前から第1ヴァイオリンのパートを弾いて音楽を先導していた。メータ指揮イスラエル・フィルの活動は長く、その記念演奏会でオール・ベートーヴェン・プログラム。ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲はズーカーマン、メータ、イスラエル・フィルみんなの掌中のスコアだ。ズーカーマンは本来ソロが入るところより早く最初からオーケストラと一緒にヴァイオリンパートを演奏している。コンマスが二人いる感じでメンバーが両方に視線をやっているのが面白い。誰も動じない安心した音楽が奏でられた30分ほどだが、録音だけで聴いたら定位の不思議な録音に感じたろう。デジタル録音盤が登場してきた1980年代初頭は、ネヴィル・マリナーとアンドレ・プレヴィンのレコーディング活動は傑出していた。そのレパートリーは過去のオーケストラレパートリーを網羅する勢いだった。マリナー指揮フィルハーモニア管弦楽団のレコードは、セッションを用意するためのレコード会社の方策でもあったと思う。録音に編成されたオーケストラという印象が色濃かった。
音楽がもつ洗練された小粋な味わいがありながら音楽に品格を保っている ― ネヴィル・マリナーはマーティン弦楽四重奏団でヴァイオリン奏者を務めた後、古楽の権威でもあったサーストン・ダートとジャコビアン・アンサンブルを結成し、バロック音楽に主眼を置いて活動しました。当初、イートン校でヴァイオリンを教えていましたが、そのかたわらで大指揮者ピエール・モントゥーの学校で指揮を学んだのち、1952年フィルハーモニア管弦楽団に入団、その後1956年から1968年まで、ロンドン交響楽団の第2ヴァイオリン首席奏者を務めました。この間、トスカニーニ、フルトヴェングラー、カラヤン、モントゥーなどの名指揮者のもとで経験を積みました。ほどなくロンドン交響楽団在籍中の1959年にロンドン中心地トラファルガー広場脇にある教会を拠点とするアカデミー室内管弦楽団( Academy of St. Martin-in-the-Fields ) を結成、以後、半世紀以上に渡って得意のバロック音楽から新ウィーン楽派作品まで、室内オーケストラの多彩なレパートリーを展開しました。マリナーとアカデミー室内管弦楽団の最初の四半世紀に録音したレーベルは argo レーベルが主体で、そのほか DECCA とオワゾリール、ASV レーベルからの発売もあります。argo とオワゾリールは早い段階で DECCA に吸収され、ASV も2007年にユニバーサル・ミュージックの傘下となりました。アカデミー室内管弦楽団との膨大な録音により、マリナーの指揮者としての名声が高まると世界各地への演奏活動も本格化しました。マリナーが音楽監督を務めた1984年制作の映画「アマデウス」ではサウンドトラックの指揮も務め、3部門のグラミー賞を獲得したほか、サウンドトラック盤はベストセラーとなりました。1970年代に旧フィリップス(現DECCA)にモーツァルトの初期交響曲集を録音し、高い評価を得たことから後期交響曲集も録音してマリナー&アカデミー単独による交響曲全集を完成しました。これは当初はクリップス指揮の後期交響曲集とともに全集を構成していた企画で、ブレンデルとのモーツァルト協奏曲全集録音も、当初は有名作品のみの録音だったものが好評により15年をかけて全集に発展したものです。
イギリスの名指揮者サー・ネヴィル・マリナーは2016年4月、手兵アカデミー室内管弦楽団と来日公演を行ったのが最後となった。1924年4月15日、イングランド中部のリンカーン生まれ。ロンドン王立音楽院でヴァイオリンを学び、パリ音楽院でルネ・ベネデッティに師事。マリナーはヴァイオリニストだけあって弦楽の扱いがとてもうまく、繊細な音も力強い音も自在であり、少人数管楽器ならではの克明な表現がそこに加わって、実に心地よい演奏を聴かせてくれます。当初は弦楽器だけのアンサンブルで、バロック音楽をレパートリーの中心としていましたが、次第に管楽器も加えて古典派交響曲の演奏を行うようになりました。特に最初の四半世紀の彼らの演奏は、その機動力抜群のスタイルもあり、スコアを的確に鮮やかに表現するだけでなくエネルギッシュで小気味の良い音楽を聴かせてくれるのが魅力的です。録音もバロックから英国近代ものまで多岐にわたり、優秀録音に支えられてリリースするレコードは確実にセールス枚数を消化したことからも、トーマス・ビーチャムの後継者のような存在。ここでは手兵のアカデミーではなく、より弦の美しいフィルハーモニア管弦楽団を指揮していて、実に品の良いオッフェンバックが楽しめる。オーケストラがうまいせいもあるが、マリナーはオッフェンバックの音楽がもつ洗練された小粋な味わいを見事に表現している。底抜けの明るさや乱痴気ぶりも、上品でセンスがよろしい。ジャック・オッフェンバック( Jacques Offenbach )は1819年生まれ。1880年没。作曲家。本名はヤーコブ・エーベルスト。ドイツに生まれフランスに渡り、パリ・オペラ・コミックのチェロ奏者として出発している。メロディー・メーカーとしては天才的。のちにオペレッタ作曲家として、第二帝政下のパリで絶大な人気を誇った。痛烈な社会風刺と明晰で、変化に富んだ音楽的感性をもち、100を越えるオペレッタを作った。喜歌劇「美しいエレーヌ」序曲、喜歌劇「天国と地獄」序曲以外の珍しい曲が聴けるのもうれしい。喜歌劇「天国と地獄」序曲の有名な後半部も実に楽しい。それでいて音楽に品格を保っているのはさすが、大きな聴きどころです。1981年2月ロンドン、ウォルサムストゥ・アセンブリー・ホールでのセッション、ステレオ・デジタル録音。
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