34-20270

商品番号 34-20270

通販レコード→仏FESTIVAL CLASSIQUE オレンジ黒文字盤

指揮者がたどってきた長い人生 ― ベルリオーズの《幻想交響曲》の録音と言えば、シャルル・ミュンシュ指揮パリ管弦楽団が定番で、ジャン・マルティノン、アンドレ・クリュイタンス、トーマス・ビーチャム、アタウルフォ・アルヘンタ、クラウディオ・アバド、そして、コリン・デイヴィス、小澤征爾などなど名盤は数多いですが、私の最愛の《幻想交響曲》はピエール・モントゥーの音盤です。私にとっては蓄音器の会で、解説を担当した最初の紹介盤であったことも初体験の思い出も加わって、贔屓に含まれてはいます。そのモントゥーといえばサンフランシスコ交響楽団の名演が有名で、ミュンシュ、パリ管と聴き比べますと、芸の深さではモントゥーの方が勝っており、モントゥーに軍配を上げる方も少なくないと思われます。明快なアーティキュレーション、テンポの良さ、モントゥーの指揮も実にスピード感に溢れています。演奏によっては限りなくどぎつくなってしまうところを、モントゥーは品良く丁寧にまとめています。モントゥーは5種類の《幻想交響曲》録音を残していますが、本盤は晩年の録音です。この83歳の時の《幻想交響曲》は肩の力の抜けた流麗な演奏。モントゥーと精神的に深い繋がりのあった北ドイツ放送交響楽団とのコンサートホール録音。フランスの名指揮者モントゥー(1875.4.4~1964.7.1)が亡くなる5か月前にコンサートホール・レーベルに録音した本盤は彼の音楽的遺言と言えるでしょう。先に打ち明けておきますが、私も最初の頃は《幻想交響曲》といえば音のすごさと迫力に期待して楽しんでいましたが、近頃ではそれだけの演奏では満足できません。なぜなら録音が良くなればそのような音は簡単に作れるからです。演奏は、晩年のモントゥーらしく、深い味わいに満ちている。端整な音楽作りが基本となっていますが、一音一音が滋味豊かで気品に溢れています。第2楽章や第3楽章が素晴らしく、特に人生の寂寥感や哀歓を感じさせる第3楽章は名演。〈野の風景, Scène aux champs〉は、その指揮者がたどってきた長い人生が必要だと感じています。同時に第3楽章のコーダや第4~5楽章の裡に秘めた気迫ももの凄く ― 第4楽章の主旋律に絡む鬼火のような弦の走句など鳥肌もの。オーケストラの献身度が音として伝わってきて感動的でもあって。聴き終えた後「ああ、良い音楽だったなあ!」という充足感でいっぱいになる。これは素晴らしい《幻想交響曲》です。→コンディション、詳細を確認する
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FESTIVAL CLASSIQUEは、フランスのレーベル Disques Festival はラジオ・ルクセンブルグの後援を受けて1953年設立、ベルギーの Festival Victory と提携してロックやジャズのレコードも発売している。
  • Record Karte
  • 1964年2月録音。ピエール・モントゥーが最晩年に録音した「最後の」幻想交響曲。フランスで2つのディスク大賞を受賞した名盤。
  • FR Festival Classique FC404 モントゥー …
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