34-20269
商品番号 34-20269

通販レコード→仏オレンジ黒文字盤
パガニーニが達者なのはヴァイオリンばかりでなく ― パリ・オペラ=コミック座の首席指揮者、パリ・オペラ座の常任指揮者、コンセール・コロンヌ管の首席指揮者など、フランスのオーケストラ、歌劇場の要職を歴任した20世紀フランス・オペラ界のの名匠ピエール・デルヴォー ― と説明しても我が国では馴染みが薄い指揮者ですが、配役もまた、名前を見ても馴染みを覚えない面々。パガニーニの代わりにヴァイオリンを弾いているアンリ・メルケル(Henri Jean Paul Marie Merckel, 1897.12.22〜1969.12.10)も、6歳で公開演奏をした天才少年でパリ音楽院管弦楽団のコンサートマスターを務めた逸材ですが、第2次世界大戦前のこと。戦後はパリ国立歌劇場管弦楽団のコンサートマスターを長年勤めていた、その最後の時期の録音、何ともユニークなアルバムです。19世紀前半に活躍したイタリア生まれのヴァイオリニスト兼作曲家のパガニーニは、その超人的なテクニックから「ヴァイオリンの鬼神」と称えられ、多くの聴衆を魅了しました。名ヴァイオリニストであったパガニーニと、ナポレオンの妹アンナ・エリーザなど、実在した人物の史実を基にしたオペレッタ。フィクションではあるのですが ― フランツ・レハール(1870〜1948)が丁寧に造り上げた音楽と相俟って、オペレッタを超えたスケールを醸し出している。レハールらしい美しいメロディの曲がふんだんに盛り込まれており、有名なアリア「僕は女にいっぱいキスをしたけど」などはリサイタルでも取り上げられることがあります。何でもオペレッタの内容よりも、事実の方がドラマチックだったとも言われています。オペラ好きの方には、実に楽しい聞きものになるでしょう。
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ブログにアクセス数が十分にある時はゆっくりしっかりと書けるのですが、夕飯の支度をしながら書いていますので今日は大雑把になります。ちょっと珍しいタイプのレコードなので、面白く書けそうでしたが残念です。
1917年生まれのデルヴォー(Pierre Dervaux, 1917.1.3〜1992.2.20)は同じ時代を生き、同じ土地の香りを身につけた音楽家として、真のフランスの響きをここに再現しています。フランスの指揮者、ピエール・デルヴォーは、フランス中北部セーヌ・エ・オワーズ県のジュヴィシー・シュル・オルジュの生まれ。音楽的に恵まれた家庭に育ち、パリ音楽院でピアノをイシドール・フィリップとイーヴ・ナットに学び、和声法と対位法をジャン・ガロン、ノエル・ガロンに師事した。パリ音楽院を卒業して打楽器奏者として入団していたが、1947年にコンセール・パードルーを指揮してデビュー、同年パリ・オペラ座の首席指揮者に就任して1970年まで活躍した。と同時に1949年から1955年までは、コンセール・パードルーの副監督としても活躍した。1964年にはカナダのケベック交響楽団の音楽監督になり、この間、1958年以降はコンセール・コロンヌ管弦楽団の指揮者としても知られ、ここでのベルリオーズのシリーズは大変な評判をとった。オペラ座の指揮者としてフランスの音楽界の重鎮として知られたデルヴォーは、1971年にはフランス政府の文化政策により新たに創設された、ロワール・フィルの初代の音楽監督に招かれた。レコードではフランス・フィルハーモニーと名乗っている盤もあるが、現在の正式名称はロワール地方国立管弦楽団。デルヴォーと、このオーケストラとの録音はいくつか残されている。しかし、デルヴォーはパリ・オペラ座の指揮者として長く活躍した。1964年からパリ・エコール・ノルマルで、翌65年からはモントリオール音楽院で、それぞれ教授として後進の育成にも力を注いだ。65年に初来日して以来、数回来日したこともあるが、NHK交響楽団を客演指揮して、92年に75歳で世を去った。デルヴォーは典型的なフランスの指揮者で、その代表的なレコードはサン=サーンスの交響詩集(71年EMI)で、パリ管弦楽団を指揮して実に都会的で洗練された表現を聴かせている。1971年秋、パリ管弦楽団を指揮したこの一枚は、洒脱という言葉をそのまま捧げたいような演奏ばかりだ。特に「オンファールの糸車」は、その羽毛で撫でられたような感触は絶品的といえる。これ1枚で彼の名は不滅だと思う。それがデルヴォーの身上と思える、音楽の迫力より実にバランスが宜しくキビキビとして聴き易い。トマス・ビーチャムのゆったりとした演奏を新しく仕立て直したような居心地の良さで演奏している。フランス音楽の魅力を最大限に引き出せる指揮者デルヴォー独特の世界が展開されます。だからシャブリエの管弦楽曲集なんていうのが、華麗さや迫力よりもバランスの良さが特徴となる一方、有名な「スペイン」などは少々飛ばしすぎの感があったりで、この指揮者、なかなか一筋縄ではいかないものを持っている。しかし歌劇「いやいやながらの王様」の中の「ポーランドの祭り」や歌劇「クヴァンドリーヌ」序曲などは最高の演奏を聞かせるし、前者では合唱の扱いの上手さも聞くことができる。このフランスの実力派指揮者として知られたデルヴォーは、オペラを中心に活躍したこともあって、我が国では人気のある指揮者とはならなかったが、ネームヴァリューの高いだけで、聴くレコードを選んでいるとどこか悔しいことになりますよ。
1953年頃の録音、1955年発売、2枚組。
FR DEC 115.190/91 デルヴォー&メルケル レ…
FR DEC 115.190/91 デルヴォー&メルケル レ…