34-13135

商品番号 34-13135

通販レコード→仏ダーク・ブルー銀文字盤

ラフマニノフに「後継者」と言わしめた ― 鋼の身体に少年の心を持った鉄腕アトムのように、リストやラフマニノフに並ぶ機械人形がショパンやシューマンのハートで奏でたピアニズム。有能な芸術家が多いと言われるユダヤ人、その顔ぶれの多さと凄さに驚く。ヨーゼフ・ヨアヒム、ダヴィッド・オイストラフ、フリッツ・クライスラー、ユーディ・メニューイン、ピンカス・ズーカーマン、アイザック・スターン、ヤッシャ・ハイフェッツ、イツァーク・パールマン、ナタン・ミルシテインとヴァイオリン奏者の巨匠烈伝に事欠かない。パウル・クレツキ、オットー・クレンペラー、キリル・コンドラシン、カレル・アンチェル、ユージン・オーマンディ、ゲオルク・ショルティ、ウィリアム・スタインバーグ、ダニエル・バレンボイム、アンドレ・プレヴィン、ロリン・マゼール、フリッツ・ライナー、エーリヒ・ラインスドルフ、レナード・バーンスタイン、ブルノー・ワルターと指揮者も凄い。彼らの中にはヴァイオリンやピアノの腕前も高い。ピアニストにしたって凄いメンバーが揃っている。ウラディーミル・アシュケナージ、ジュリアス・カッチェン、エミール・ギレリス、リリー・クラウス、マレイ・ペライア、ウラディミール・ホロヴィッツ、アルトゥール・ルービンシュタイン、アレクシス・ワイセンベルク。そして、ベンノ・モイセイヴィチ(Benno Moiseiwitsch, 1890〜1963)もそうだ。19世紀の偉大なピアノ教師であったテオドール・レシェティツキに師事し、ラフマニノフから多大な影響を受けたモイセイヴィチのパガニーニの主題による狂詩曲グリーグのピアノ協奏曲です。モイセイヴィチはリストをはじめ超絶技巧を得意とするピアニスト。幼い頃から神童ぶりを発揮し、ラフマニノフに「後継者」と言わしめた20世紀前半を代表する巨匠。ここでの演奏を聴くかぎり、卓越した技巧という意味では最も優れたピアニストの一人に数えられるでしょう。レパートリーは幅広く、第二次世界大戦の間、800以上のコンサートを行い、イングランドで人気のピアニストとなった。1937年イギリスに帰化。国外での活動も活発で、50年にも及ぶキャリアのうち20年以上にわたり、北アメリカや南アメリカ、オーストラリアなどで演奏旅行を行い、1963年に卒中で亡くなる直前まで続いた。特に好んだのはショパンとシューマン。モイセイヴィチは全神経と、その持てる技巧の全てを音楽のエレガンスに直結させているような、詩的で優美かつ自然な音色を聴かせます。
ロマン派の時代に入り、協奏曲は「競争」曲、すなわちソロイストとオーケストラが、互いに華々しい名人芸でしのぎを削るものへと変化しました。リストを筆頭に、サン=サーンス、グリーグの作品もその系譜に連なるのは指摘するまでもありません。しかしともすればソロイストはオーケストラに対抗せんと、過剰に攻撃的になることもしばしばありました。しかしベンノ・モイセイヴィッチは協奏曲においても常に悠然と構え、繊細かつ雄大なアプローチを崩していません。ラフマニノフも彼にとっては重要であった。というだけでなく、ラフマニノフ本人も、彼の演奏を非常に高く評価し、信頼を置いていた。ラフマニノフはウラディーミル・ホロヴィッツを自身の精神的後継者と見なしていましたが、演奏そのものは、モイセイヴィッチのほうをより好んでいたようです。その理由として考えられ、また常にモイセイヴィッチのスタイルとして指摘される優美さ、過剰な感情表出の回避、その一方にある作品に対する大きなアプローチが、これら協奏曲に結実していることを聴き取る事は容易でしょう。モイセイヴィッチはヴィクターの黒盤アーティストとして二流扱いを受けた為に、真の評価を受けていないピアニストだ。2番のピアノ協奏曲は、ラフマニノフ本人に次いで2番目に録音したピアニストになる。その細かなフィギュレーションは入念に磨きこまれ、フォルテシモで音が割れるようなことは決してありません。表面上は目立った派手さもなく、むしろ端正な印象を受けるほどで、ほのかなロマンの香り漂う、気品のある演奏だ。多少の古めかしさもあるが、現代でも高く評価されるに違いないピアニズムの持ち主である。あまりに有名な「パガニーニ狂詩曲」の第18変奏の甘美さについては、彼のトレードマークとも言える軽妙な指さばきは、発揮され。もはや言を尽くすまでもないでしょう。この人の左右の指から表現される旋律の動きはそれぞれが全く異なった表現で歌い、粒が揃い、リズムも躍動的であることが分かる。ひけらかすテクニックではなく、音楽を自在に表現する為のスーパーテクニックを聴き取ることができれば、モイセイヴィッチを愉しむことができるはずだ。彼はいつも出すべき音とそうでない音を明瞭に弾きわけているが、そのためもあっていかなる箇所でもうるさくならない。或る意味では現代的でもあるモイセイヴィッチのスタイルは、古典派の作品などでは丹精さというかたちで際立って表れる。そして様式感、気品、情熱、そして作品に対する共感など、演奏に必要な要素が何ともバランスよくブレンドされている。しかし、ロマン派のショウピースなどでは、粋なサロン音楽として自由自在に変幻する。さらに、モイセイヴィッチのレパートリーは近現代にも広がりを見せ、ディーリアスの協奏曲などの紹介にも努め、ストラヴィンスキーなども得意とした。
グリーグはシューマンのピアノ協奏曲との組み合わせで、His Master's Voice ‎– CLP 1008として、ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲はショパンの舟歌、夜想曲第18番、バラード4番との組み合わせで、His Master's Voice ‎– CLP 1072としてリリースされた。ベンノ・モイセイヴィッチの演奏は技巧的困難さを感じさせないだけでなく、まさに変幻自在、そしてオーケストラ原曲のもつ妖精が舞うかのような精妙な雰囲気が、よく投影されている。レコードは高価な嗜好品でしたから、かつては様々な頒布組織がありました。コンサート・ホールなんてその最たるものですが、あまり一般的ではなかったものに「WORLD RECORD CLUB」がありました。イギリスを中心とする頒布組織で1960年代前半までは独自に録音して通に受けるようなレコードを制作していました。しかし、1968年経営が立ち行かなくなり英EMIに買収されます。EMIはアメリカではRCAと提携し、「キャピトル」レーベルを販売の窓口として持っていました。日本では東芝音楽工業が権利を持っていた関係で、通販用専門レーベルとしてこのワールド・レコード・クラブが使われました。フランス盤ですが、とても稀少なレコードです。
モイセイヴィッチのピアノ録音集 第4集
ラフマニノフ
Naxos Historical
2002-02-01

(グリーグ)オットー・アッカーマン指揮、1953年9月9,10日録音。(ラフマニノフ)ヒューゴー・リグノルド指揮、1955年8月14,15日録音。
FR  CND  CND506 ベンノ・モイセイヴィチ ラフマニノフ…
FR  CND  CND506 ベンノ・モイセイヴィチ ラフマニノフ…