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指先に広がる世界 ― 昨日、ブログ越しに中途難聴者という方とつながりがあった。今朝テレビ朝日系の情報ワイドで加齢で可聴能力が低下するという話があり、原因は音を捉える細胞は再生しないことで、予防するしかなく、聴力の低下は認知症を早く誘導するという内容でした。大きな音がする場に近づかないことと、最近問題なのはヘッドフォン聴取で難聴患者が多いという。音楽を鳴らしたまま寝るのはよくないとは、前から言われていたこともあって、強制的に聞かされることもだが、受動的に聞いているだけでは音楽を愉しんでいるといえないのではないかしら。わたしは、スピーカーからの音楽に対して能動的な姿勢であることも大事ではないかと思っている。先月末、鶴屋百貨店のクラシックサロンで、タンノイ・システムでレスピーギの「ローマの泉」と、「ローマの松」をフリッツ・ライナー指揮、シカゴ交響楽団の録音出来きました。交響詩「ローマの泉」は、「朝のトリトンの噴水」や「昼のトレヴィの噴水」といった観光名所に、神話の物語を重ねながら、「夜明けのジュリアの谷の噴水」から、市井の朝、行政中心部の昼、古の栄光を偲ぶように「メディチ荘の噴水」でたそがれを迎える。ローマはその輝かしい栄光と美しさを讃えて「永遠の都」とも呼ばれています。古代ローマの闘技場「コロッセオ」など歴史の跡が今もなお残る街。でもローマで私たちを待っているのは遺跡だけではありません。そして交響詩「ローマの松」はローマにある松の名所が描かれています。ローマでは〝繁栄・不死・力〟の象徴とされ、古代から大切にされてきました。そのため、ローマには到處に松の木があります。映画「ローマの休日」でも、オープニングや、「いいところね」と、アン王女がアパートの屋上から見晴らす風景の中に松を見つけてください。この楽曲には、いったいどんな松が描かれているのか、もともとは貴族の邸宅だった「ボルゲーゼ荘の松」は、今ではローマ市民の憩いの場となっています。悲しげな聖歌が地底深くから立ち昇り、荘厳に響き渡る様子を松が見守っている「カタコンブの松」。街を見渡せる、眺めの良い場所にある「ジャニコロの松」の日が暮れて夜になると、穏やかな満月の下、松の姿が浮かび上がり、鳥の歌い声が聞こえてきます。夢のなかで古代の争いが振り返られる「アッピア街道の松」。「すべての道はローマに通ず」なんて言われるローマの道の中でも、もっとも長い歴史を誇ります。古代、戦いに勝ったローマ軍が行進した栄光の道です。ローマからイタリア南端まで全長約560キロにも及ぶ長い、長い街道の両側に松は聳え立っています。昔も今も、ローマの風景に溶け込んでいる松。松は輝きに満ちたローマの歴史を何千年もの間、見守ってきたのです。さて、「ジャニコロの松」のスコアには、〝GRF〟と書かれた指示があります。第一次世界大戦から第二次世界大戦にかけて、20世紀前半は戦争の時代でした。この最中に活躍したレスピーギの作品はファシスト党政権にも非常に好評であったが、レスピーギ自身はまだファシズムに深入りしてはいなかった。後半生はベニート・ムッソリーニのファシスト党とぎこちない関係を続けた。その頃、蓄音器は文化の象徴でしたから、楽器の一つとしてレスピーギは音楽史の一葉に遺しました。ナイチンゲールの鳴き声を録音したレコードが蓄音機(Grf)で再生されるわけです。
鶴屋百貨店での鑑賞会で資料にしましたが、トーマス・エジソンが発明した蓄音機は「話す機械」として喧伝され、大いに評判を呼んだものの、評判のわりに性能が低く、実用化にはほど遠かった。エミール・ベルリナーは保存の効かない錫箔をワックス塗りに変えたり、録音機能をやめて、予め録音されたものを再生するレコード・プレーヤー、円盤式蓄音器「グラモフォン」の製造・販売のために、1895年に「ベルリーナ・グラモフォン」という会社を設立する。ベルリーナ・グラモフォンは、ビクター・トーキングマシンを経てRCAレコードとなり、また、英国支店はグラモフォン・カンパニーを経てEMIへ、さらに、ドイツにおいてはドイツ・グラモフォンと、音楽業界に大きな影響を与える企業の源流となっている。
ギリシャの哲学者ソクラテスです。彼は文字を使うと頭を使わなくなると言って文字を排斥し、問答法という形で弟子を教育したと言われています。だから彼の著書は残っていません。
フランスのオルガン音楽が、他国のものと明確な違いを見せるようになるのは17世紀初頭のこと。グレゴリオ聖歌との強い結びつきのもと、カトリック教会のために発展する一方、こうしたレパートリー向きの楽器が制作され、色彩優位の酔いしれるような音色を誇りました。それはルイ13、14世治世下で、その時期に作られた逸品が、フランス各地の名オルガンで味わえます。パリを象徴する建築物のひとつでもあるこの数百年来の大聖堂が、屋根の補修工事中に出火、大きな火災にみまわれたというニュースは世界中を驚かせました。かつてフランスならではの洗練されたセンスで半世紀以上に渡り、レコード制作を続けてきたカリオペ・レーベルのために1972年から1976年にかけて録音され、リリースされていたアンドレ・イゾワールの名盤は、数々の賞に輝いた大規模なアンソロジーで、フランスのオルガン音楽の歴史が俯瞰できます。
ギリシャ神話ではミューズの一人で、智の女神カリオペ(CALLIOPE)は、19世紀半ばに作られた蒸気や圧縮空気で鳴らすパイプ・オルガンの語源でもある。カリオペは、20世紀初頭までは蒸気船に備え付けられ、その後飾り立てた台車や馬車に乗せて運び、お祭りやサーカスなどで使われることが多くなったが、20世紀半ばにはほとんどが姿を消した。鍵盤で演奏することもできたが、自動演奏されることが多かった。フランスのカリオペ・レーベルは、1972年にジャック・ル・カルヴェが創設、芸術監督でもありレコーディングをプロデュースした。そのレパートリーは、ルネサンス、バロック時代に限らず、現代にまで及んでいて、単なるオリジナル編成のレパートリーだけのレーベルではない。アンドレ・イゾワールが演奏したバッハのオルガン作品は、非常に魅力的な企画である。日本ではビクター音楽産業の日本プレスでもって世に知られるようになった 。普通は「カリオペ」と呼ばれていますが、フランス語読みだと「カリオップ」となる。それが、まずオーディオ的な素晴らしさによって大評判となります。ル・カルヴェとタッグを組んでいたエンジニアのジョルジュ・キセロフによる録音は、とくに驚くべきものでした。これら一連の録音は、どれも豊かな表情と熱気に富みながらも格別の気品を湛えた見事なもので、故長岡鉄男氏絶賛のレーベルでもあり。室内楽系が多く。初めて聴く作品にときめいた。ヘルベルト・フォン・カラヤン、スビャトスラフ・リヒテル、ダヴィッド・オイストラフ、ギドン・クレーメルの新譜を発売していたビクター音楽産業は、エラート、レッドシールと提携して、RVCレーベルも抱え、パイヤール室内管弦楽団や冨田勲を発売していました。ですから、国内盤リリースを待つのには飽き足らず、フランス盤を輸入したほどです。それは、ジャケットもとても凝ったもので、見開きのダブル・ジャケットのLPを入れる部分に、さらに折り返しがあって埃の侵入を完全に防ぐ工夫が施されていました。2010年カタログ付きCDも登場するなど、堅調と思われていたフランスの老舗レーベルですが、残念ながら2011年初頭で業務を停止した。このカリオペ・レーベルのスタッフだったミカエル・アッダは、2011年に「ラ・ドルチェ・ヴォルタ」レーベルを立ち上げて、カリオペ・レーベルのイゾワール、タートライ・クヮルテット等の録音を買収・再発売するとともに、ジャン=ピエール・コラール、アルド・チッコリーニとも契約。日本市場を意識して、日本語解説付き(再発売品を除く)で発売されているのも嬉しい限りです。
  • Record Karte
  • ベートーヴェン:メカニカル・オルガンのための5つの小品 WoO 33, Nos. 1-3、12の長調にわたる2つの前奏曲 Op. 39。モーツァルト:アンダンテ ヘ長調 K. 616、幻想曲 ヘ短調 K. 608、アダージョとアレグロ ヘ短調 K. 594。1976年録音。フランクフルトの北西部にある、プロテスタントのカンターテ・ドミノ教会に設置されている32のレジスターがあるバロック・オルガン。
  • FR CALLIOPE CAL1730 ジャン=ピエール・ルゲー ベ…
  • FR CALLIOPE CAL1730 ジャン=ピエール・ルゲー ベ…
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