商品名DE ORFEO S051831A アレクサンダー・ブジェジナ ドヴォルザーク・管楽セレナード

このレコードには9人、10人の合奏曲の名曲2曲を聴くことが出来る。楽器奏者だけでアンサンブルされる機会もあるが、指揮者の存在は音楽の流れを引き締める。アントニーン・ドヴォルジャーク(1841〜1904)はチェコ国民楽派最大の作曲家。プラハ・オルガン学校で学んだ後、プラハ国民劇場のヴィオラ奏者になり、スメタナの影響を受ける。その後ブラームスに認められ、その影響も受ける。晩年にかけて傑作を多数生み出している。ドヴォルジャークは肉屋の息子である。苦労しながらほとんど独学で作曲家を目指しブラームスによって才能を認められ道が開かれていくのであるが、誰よりも早くその才能を認めたのはアルト歌手であった妻のアンナである。アンナは貧しい生活の中でもドヴォルジャークの才能を信じ支え続けた。この夫妻は9人もの子宝に恵まれたが、結婚した2年後初めての子を生後2日で失うという不幸に見舞われただけでなく、2年後には1歳になろうとする次女を、その翌月には長男を失う悲しみを味わっている。この悲しみから名曲「スターバトマーテル(悲しみの聖母)」が生まれたことは良く知られている。《10の管楽器、チェロとコントラバスのためのセレナード ニ短調 Op.44》は10の管楽器とチェロ、コントラバスという特殊編成ながら極上の名作だ。ドヴォルジャークの管楽セレナードは弦楽セレナードほどではないが演奏される機械の多い曲だ。「管楽」といいながら、2本の弦楽器を交えて演奏するのです。ドヴォルジャークは晩年、素晴らしいチェロ協奏曲を残していますし、チェロへの思い入れを感じますね。ドヴォルジャークらしい郷愁を誘うメロディが出てきて楽しめるが、やはりスラヴ地方の土俗的な雰囲気は、弦楽器による演奏で最大限に発揮される。それが管楽合奏では野趣が適度に薄められ、灰汁の強さがなくなってスッキリ明るい印象になっている。セレナーデは本来、貴族の夜会の伴奏として演奏されることが多かったそうです。しかしドヴォルジャークの曲はそういった優雅さとは一線を画しています。モーツアルトのセレナーデを強く意識した、行進曲風に始まりますがこの暗い感じはドヴォルジャーク独特の響きではないでしょうか。ボヘミアの民族舞曲ソウセツカとフリアントのリズムを取り入れたメヌエットから、弦楽器の分散和音と、ホルンのシンコペーションの動きが全体を通じて奏される中、クラリネットに現れる牧歌的な主題をさまざまな楽器が受け継ぐ変奏曲に移り、陽気なポルカのリズムで民族風の旋律が奏でられ、最初の行進曲風の主題が戻ってきて、華やかに曲が終わります。
シャルル・グノー(1818〜1893)はフランスの作曲家。教会オルガニストとして出発。1851年のオペラ上演以来オペラに傾斜する。フランス・ロマン派オペラ最大の作曲家であり「フランス音楽再興の最初の大家」として重要な地位を占める。合唱運動の推進者でもある。「アヴェ・マリア」ばかりが有名で、後は歌劇「ファウスト」ぐらいで知られているグノーですが、実は交響曲も書いています。《9つの管楽器のための小交響曲 変ロ長調(1888)》も非常に親しみやすく、管楽器のファンならずとも魅了されてしまう。この曲は、「交響曲」と名前が付いてはいるものの、頭に「小」という接頭辞がつくぐらい小規模なものです。オーボエとクラリネットとファゴットとホルンが各2本+フルート1本という9重奏で、それぞれのパートを一人で演奏することといい、要するに分類としては室内楽にあたる管楽アンサンブルの曲です。然し乍ら、各奏者は指揮者アレクサンダー・ブレツィーナを中心とする放射状の線で縦につながっていて、良くも悪くも指揮者の手元の一点で音楽がまとまっています。テンポや形式こそ交響曲らしいのですが、ごくごくささやかなもので、言ってみればモーツァルトのセレナードみたいな明るく華やかで可愛い、楽しい雰囲気に溢れています。それにしてもミュンヘン国立歌劇場のメンバーを中心に結成されたこの団体は、アンサンブル・音色とも実に素晴らしい。特にオーボエは忘れ難い音色だ。そして改めて指揮者の存在の大きさを感じました。ミュンヘン管楽アカデミーの演奏は、規模の小ささを感じさせないぐらい堂々としていて、まさに交響曲をそのまま小さくしたようです。また、指揮者無しで演奏された演奏も聞きますが、指揮者が全体を捉えてぐいぐい引っ張っているので、音楽にキレがあります。指揮者がいる方が良い悪いではなく、指揮者がいるいないで、たしかに音楽が異なっているのです。改めて「合奏」というものを考え直す演奏でした。
1981年6月、11月11〜13日セッション、ステレオ・デジタル録音。1983年初発。
DE ORFEO S051831A アレクサンダー・ブジェジナ ドヴ…
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