DE EMI 1C157-30 688/89	ボスコフスキー J.シュトラウス・ウィーン気質
通販レコード→独カラー・スタンプ・ドッグ盤

DE EMI 1C157-30 688/89 ボスコフスキー J.シュトラウス・ウィーン気質

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商品名DE EMI 1C157-30 688/89 ボスコフスキー J.シュトラウス・ウィーン気質

ボスコフスキーが“歌つき”のワルツやポルカで要所を押さえた演奏を聴かせてくれる。 ― 19世紀に入ってからのヨーロッパではそれまで主に宮廷や上流階級のものであった舞踏音楽が市民階級にも広がって行きます。中でもワルツはメヌエットやガヴォットとは異なり、男女が体をくっつけて踊れる最初のものであったので、急速に広まることになります。こうしたワルツの多くがウィーンで生まれ、殊にウィンナ・ワルツの創始者とされる、ヨーゼフ・ランナー、ヨハン・シュトラウス1世がウィーン風な洒落たスタイルに仕上げた事で一世を風靡します。ヨハン・シュトラウス1世は3人の息子が音楽家になることを嫌いますが2世、ヨゼフ、エドウアルトも音楽家となり、この時代を牽引します。その他では、フランツ・フォン・スッペ、カール・コムサク、カール・ミレッカー、カール・ミハエル・チーラー等がウィーンの宮廷・貴族社会を中心にウィーンの舞踏音楽を支えます。『ウィーン気質』は、ヨハン・シュトラウス2世が既に作曲してあったワルツやポルカの名曲を集めて編曲したオペレッタ。ボスコフスキーは甘美な音楽の流れを作り、歌手たちの歌と巧みなせりふ回しの妙が聴きどころともなっています。ウィンナ・ワルツを指揮するボスコフスキーには音楽と一体になった喜びがあふれている。やや速めのテンポ、軽やかなリズム、そして優美な情感を発散するアーティキュレーションはウィーンの人々の生活感情と一致するものであろう。レコードの演奏にもそれがはっきりと出ていて、ボスコフスキーの明るい洗練された演奏に引き込まれる。彼らの演奏は、現在世界各地に溢れているヴィルトゥオーゾ・オーケストラによるモダーンで、洗練された感覚の演奏とはやや性格を異にしている。それはもっと素朴で、ゴツイ手触りをしているとでも形容すればいいのかもしれない。しかし、そこには他のオーケストラではきけないような独特の味わい深さがあり、魅力十分だ。
「人生の酸いも甘いも噛み分けた人生の達人から、 この世の生き方を教えられる」 ― 大ヒットしたワルツのメロディーに、人生の機微を表した歌詞を載せて歌われる。カラヤン、クリップス、クナッパーツブッシュ(以上DECCA)、ケンペ(EMI)、ベーム(DG)など、この時期にウィーン・フィルとウィンナ・ワルツの名盤を残している指揮者はいるものの、ボスコフスキーほどの規模で継続的に取り組んだ例はなく、ウィンナ・ワルツやポルカといえばボスコフスキー盤が最も安心して購入できる定盤として長らく親しまれてきました。 ボスコフスキー自身もこのシリーズについて、「こうしたワルツやポルカは舞踏会やエンターテインメント・ショーのために二流の演奏家によって取り上げられることが多かったため、聴き手も真剣に取り合おうとしなかった。私たちはそうした不当な扱いからこれらの名品たちを救い出し、その真の価値を洗い出したのです。これらの音楽がいかに繊細でしかも楽しいものであるかをようやく聴きとっていただけるのです」と語っています。ウィリー・ボスコフスキーはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンマスを長年勤めながら、指揮者としても活動しており、殊に1955年からウィーン・フィルハーモニーのニューイヤー・コンサートの創設者クレメンス・クラウスの死に伴い、その後を継いでその指揮を行う様になり、ヴァイオリン片手のソロを交えながら指揮をする、その洒脱な演奏スタイルを含め人気を博します。長い間、このオーケストラのコンサートマスターとして、クラウスの棒で弾いていたわけだから、雰囲気も十分に承知しており、リーダーとして最適の人選だったのだろう。自らヴァイオリンをもつシュトラウス当時のスタイルによる演奏は、それなりの味をもつ。クラウスよりいくぶん硬さがあるようだが、ウィーン気質・ウィーン情緒は伝わってくる。ボスコフスキーは長年ウィーン・フィルのコンサートマスターをつとめ、ウィンナ・ワルツが骨の髄までしみ込んだ指揮者だ。その意味で職人気質のうまさを身につけているが、決してそれがマンネリにならず、いつも生気を帯び、そこから生きる喜びが伝わってくる。リズムは精妙で自在、フレーズの隅々まで血の気が通い、あたたかみとほほえみ、やさしさと爽快さがひとつとになり、華麗であると同時に哀感を帯びている。そして人生の酸いも甘いも噛み分けた人生の達人から、この世の生き方を教えられる。20世紀のヨハン・シュトラウスの生まれ変わりとしてウィーン楽団に齎したウィリー・ボスコフスキーの功績は大きい。名手揃いのウィーン・フィルの面々が、いつになくリラックスした様子でシュトラウス作品の演奏に取り組むさまが、聴く度に目に浮かんだものです。1976年2月、ステレオ録音。2枚組。
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