DE EMI 1C153-00 001/2 ロヴロ・フォン・マタチッチ レハール・「メリー・ウィドウ」
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DE EMI 1C153-00 001/2 ロヴロ・フォン・マタチッチ レハール・「メリー・ウィドウ」

商品番号 34-16995
定番名盤 シュワルツコップが歌う“メリー・ウィドー” ― 甘く切ない世紀末ウィーンの情景が部屋いっぱいに拡がる。シュワルツコップのハンナはもちろんのこと、ヴェヒターのダニロや指揮のマタチッチまでが陶酔的な雰囲気にひたっている。英EMIはレコードの歴史を背負っていると言っても過言ではないレーベルである。優れた録音が山ほどある。ソプラノのシュワルツコップのグラヴァリ未亡人役は、若くしてはできないだろうし、見事に演じている。レッグは自らが創設したスーパーオーケストラであるフィルハーモニア管弦楽団と愛妻のシュワルツコップで、この曲を何とか録音しようと指揮者を物色。しかし、フルトヴェングラーは他界し、カラヤンにもベルリンに逃げられ、已む無く、無名の指揮者マタチッチを選んだという。結果的にはこのような大名演が生まれたわけだから、レッグの慧眼たるや恐るべし。無骨なマタチッチのイメージとは反対の、実にエレガントな名演。何と言っても舞台運びが絶妙な間合いで進められ、最初から最後までずっと愉しみながら聴き通せます。去ったカラヤンが一時身を寄せた、英DECCAはウィーン・フィルのステレオ録音で初のベートーヴェン交響曲全曲録音や、ワーグナーのリング全曲録音に挑んでいた。そうした情勢中でしてやったりの、レッグ一家大集合のオペレッタ録音の金字塔。キャストが、エリザベート・シュワルツコップ、ニコライ・ゲッダ。このメンバーで「メリー・ウィドウ」を聴くことができるとは夢のようです。後にカラヤンも録音したが本盤、マタチッチの足元にも及ばなかった。
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フィルハーモニア管弦楽団(PHILHARMONIA ORCHESTRA LONDON) ― 英ロンドンを拠点とするオーケストラ。愛称は“ザ・フィル”。1945年にEMIのプロデューサー、ウォルター・レッグが創設。その後、R.シュトラウス、カラヤン、トスカニーニ、フルトヴェングラーなどの巨匠を指揮者に迎え、一躍ヨーロッパ楽壇で注目される。多くの録音を残したカラヤンと欧米各地に演奏旅行するほか、クレンペラー、ムーティ、シノーポリが首席指揮者に就任。97年にドホナーニ、2008年にエサ=ペッカ・サロネンが首席指揮者に着き、創設以来の“録音の多いオーケストラ”の伝統を堅守。96年以降、ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールを本拠地として活躍している。
ロヴロ・フォン・マタチッチ(LOVRO VON MATACIC)は、1899年2月14日、クロアチア(旧オーストリア帝国)のスーシャック生まれの指揮者。1985年1月4日、ザグレブにて没。ウィーン音楽大学に学び、ケルン市立歌劇場の副指揮者として指揮デビューした。1933年ザグレブ歌劇場の第1指揮者を経て故国に戻り、1938年ベオグラード歌劇場の音楽監督およびベオグラード・フィルの指揮者に就任。第2次大戦後は、バイエルン州立歌劇場、ウィーン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座、などの音楽監督や指揮者を歴任し、オペラの名匠として活躍した。また、コンサート指揮者としてもザグレブ・フィルの専任指揮者や、NHK交響楽団の名誉指揮者を務め、壮大で重厚なブルックナーやベートーヴェンの交響曲で聴衆を魅了した。
レハール(Franz Lehar) ― 1870年生まれ。1948年没。ハンガリー出身。シュトラウス2世亡き後、ウィーンのオペレッタを再興した立役者。プラハ音楽院卒業後、ドヴォルザークの助言で作曲家を志す。1902年のオペレッタ『ウィーンの女たち』で成功を収め、オペレッタの作曲家として人気を博す。レハールの作曲は、20世紀前後の近代的な作曲様式が随所に感じられ、その当時の作曲技法を体現していて実に新しい。19世紀末のウィーン・オペレッタの黄金時代に燦然と輝いていたスッペ、ヨハン・シュトラウス2世たちキラ星が相次いで消えた後、沈滞していたウィーン・オペレッタ界の隆盛のきっかけになったのが「メリー・ウィドウ」だった。師であるドヴォルザークの勧めで作曲家を志し、歌劇や管弦楽曲等を書き、アン・デア・ウィーン劇場の楽長にも就任した。レハールの才能に着目したヴィクトール・レオンとレオ・シュタインが新しい台本の作曲をレハールに依頼したことで、この「メリー・ウィドウ」の名作が誕生する。初演以来、連続500回を超える上演で瞬く間にヒット作となり、ウィンナ・オペレッタの記念碑的存在となった。実に親しみやすく優雅なメロディーに富んでおり、初演から近年に至るまで世界中で上演されている人気作である。しかし、第2次世界大戦後のアメリカでの評判は宜しくない。ナチス・ドイツの総統、ヒトラーはレハールが作曲したオペレッタ「メリー・ウィドウ」が大好きで、ワーグナーと並んで青年期より愛聴、特に戦局が悪化してからは、「メリー・ウィドウ」のSPレコードばかり聴いていたという。ドミトリ・ショスタコーヴィチの交響曲7番「レニングラード」、ベラ・バルトークが「管弦楽のための協奏曲」で『ナチス』を揶揄する形で「メリー・ウィドウ」からのメロディーを引用している。
最初から何かが起こりそうな、始まりである。マタチッチらしく豪快で、逞しく、大きく盛り上がる。どこにも緩みがないのはもちろん、音楽の持つ巨大なエネルギーの放射がすばらしい。オーケストラの音もすごい。全盛期のフィルハーモニア管弦楽団の腕前というのは呆れるほど素晴らしい。このオペレッタの傑作の理想的な音を出していることも特筆しなければならない。この録音を聴いてまさかイギリスのオーケストラが演奏していると思う人は、よくよくいないだろう。ウィーン・フィル以上にウィーンらしい。指揮者の要求にオーケストラが完全に対応していたのであろう。オーケストラも指揮者も優秀でなければ、こうはいかないと思う。歌唱、演奏の素晴らしさだけでなく、録音は極めて鮮明で分離も良く、次々と楽器が重なってくる場面では壮観な感じがする。全く迫力十分の音だ。最高の演奏といえる。
1962年7月録音。2枚組。

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