DE 	EMI 	1C063-02 959	ヨッフム	 ベートーヴェン・交響曲5番「運命」/序曲フィデリオ

商品番号 34-9346

通販レコード→独ジャーマン・カラー・ドッグ盤 Quadraphonic

ビショップ&パーカーによるQuadraphonic録音。 ― オイゲン・ヨッフムは〝ベートーヴェンの交響曲〟をブルックナーと同様重要なレパートリーとしており、交響曲全集についても1952〜61年にドイツ・グラモフォンへ録音、1967〜69年にはPHILIPSへ、そして本盤を含む1976〜79年にはEMIへとメジャー・レーベルで、実に3度にわたって制作。また、すでにSP時代に4曲の録音があることからも判る通り、彼にとってはキャリアの最初からその最晩年にいたるまで、レパートリーのメインに据えられた重要な作品群が、ほかならぬこの〝ベートーヴェンの交響曲〟であったことは疑いようの無いところです。ロンドン交響楽団を指揮した晩年のこの録音でも、経験に裏打ちされた味わい深い演奏です。ドイツ音楽の神髄をなんと英国のオーケストラから引き出すとは…ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団も真っ青の演奏。1970年代にすでにアムステルダム・コンセルトへボウ管弦楽団との録音には、ヨッフムの落ち着きのある穏当な解釈と名門オーケストラの名技を聴くことが出来る。しかし、ヨッフムのコンセルトへボウ盤とはまったく違う様相をこのロンドン響との演奏は響かせる。もちろん指揮者ヨッフムの解釈がより深まったのかもしれないが、一重にクリストファー・ビショップ&クリストファー・パーカーの名録音であったと言える。ロンドン市のビジネス街の端に位置するキングスウェイ・ホールは、クラシック音楽の録音には最適な音響を持つことで知られる、が、この会場にも欠点はあった。そこには録音設備がなかったのだ。そればかりか、録音スケジュールをベイカールー線に合わせなければならなかった。これはロンドンの地下鉄の一部で、地下の深みから鳴り響くそのゴロゴロという音が、録音中に入ってしまう。そのため、地下鉄の音の入っていないキングスウェイ・ホールの録音は本物じゃないと言われていた。キングスウェイ・ホールでの演奏を3本マイクで明晰に捉え、ホルンの響きが象徴するようにあたかもオーディオ装置の前のリスナーが録音会場に臨んでいるかのような遠近感のある録音を行った。見事としか言いようがない。〝ベートーヴェンの交響曲〟ならば、どうしてもドイツのオーケストラでなければならない向きには、1960年代にベルギーの名指揮者アンドレ・クリュイタンスがベルリン・フィルを指揮しベルリンで録音したEMI盤を薦めたい。ベルリン・フィルがステレオ録音した、このモダンな演奏は蓄音器を楽しむ会の会長も認める〝ベートーヴェンの交響曲〟演奏の龜鑑である。やはり指揮者もオーケストラも独墺系でなければすまない向きには、ヘルベルト・フォン・カラヤンがベルリンで最初に録音したベルリン・フィルとの1960年代半ばのドイツ・グラモフォン盤そしてハンス・シュミット=イッセルシュテットがウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮しウィーンで1960年代に録音した、ウィーン・フィル初のステレオ録音での全集となったDECCA盤を薦めたい。前者は、明るい色調で軽快な〝ベートーヴェンの交響曲〟を、そして後者は、1970年代後半には希薄になってしまった南ドイツ語圏のローカル・オーケストラの魅力で〝ベートーヴェンの交響曲〟を、それぞれ演奏している。それよりも後になって1970年代後半にロンドンのキングスウェイ・ホールでロンドン・フィルハーモニー管弦楽団を使ってヨッフムが録音したブラームスの交響曲全集は、早くから優れたヨッフムの解釈とオーケストラの力演で世評高かった。もうひとつヨッフムがロンドンの同じホールでロンドン響と録音した交響作品が、このベートーヴェン交響曲全集である。こちらもLP時代からヨッフムの熱いオーケストラ・ドライヴが評判にであった。このキングスウェイ・ホールでの録音ならではの音場は広くて深く、木管楽器群が充分な実体感を持ってきれいに定位する音質も功を奏し、どこをとっても音響が充実しているという意味では、これ以上の演奏は考えられないというくらい気持ちのよい音がリスニング・ルームを埋め尽くしてくれます。
オイゲン・ヨッフム(Eugen Jochum、1902年11月1日〜1987年3月26日)は、バーベンハウゼン生まれ。アウグスブルク音楽院でピアノとオルガンを学び、1922年よりミュンヘン・アカデミーでハウゼッガーに指揮を学ぶ。1949年にバイエルン放送交響楽団の設立に関わり、音楽監督を1960年まで務め同楽団を世界的レベルにまで育てた。演奏スタイルに派手さはなく地味ではあるが、堅固な構成力と真摯な態度、良い意味でのドイツ正統派の指揮をする。やはり本領はバッハ及びロマン派音楽と思われる。彼は音楽を自己の内心の表白と考える伝統的ドイツ人で、したがってバッハ、ブルックナー、ブラームスに於いては敬虔な詩情を迸っている感動的な名盤を生むが、モーツァルトの本質を探ろうとするほどに湧き溢れて来るがごとき心理的多彩さや、ベートーヴェンの英雄的激情、それにリヒャルト・シュトラウスの豊麗なオーケストラの饒舌を表現するには乏しい結果となっている。ヨッフムがはたして、すでに成長すべき極言まで達してしまった人なのか、それともさらに可能性が期待できるのか、いつまでも巨匠の風貌に至らないのが、好感とともに焦燥を禁じえないが、おそらく同世代のカール・ベーム、エドゥアルト・ファン・ベイヌム、ヘルベルト・フォン・カラヤンたちに比べれば個性と想像力において弱く、名指揮者にとどまるのではないかと思われた。ところが、後年のヨッフムの録音活動の活発さは目を引いた。戦前のSPでは、わずかにテレフンケンのベートーヴェンの「第7」「第9」ほどだったのと比べて、彼が晩年型の指揮者と称されることを簡易に理解できる面だろう。ベルリン放送交響楽団(1932~34年)、ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団(1934~49年)、バイエルン放送交響楽団(1949~60年)、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(1961~64年)、バンベルク交響楽団(1971~73年)とオーケストラ首席指揮者を務めた変遷を見ると、バイエルン放送響以外は短いのに気づくが、同時に2つのオーケストラを兼務することをしていないことも見て取れる。そうした、一つ一つの歴任を経て来たことは彼の律儀な性格のあらわれかも知れない。でも彼の真価が本当に発揮されるのは1970年代に入ってからで、幾つかの楽団を渡り歩いたのちの70歳代になってからである。シュターツカペレ・ドレスデンとのブルックナー交響曲全集やロンドン・フィルハーモニー管弦楽団とのブラームス交響曲全集、そしてロンドン交響楽団とのベートーヴェン交響曲全集をのこしたのもすべてこの時代である。ヨッフムは若い頃からブルックナー作品に熱心に取り組み、やがてブルックナー協会総裁も務めるなど権威としてその名を知られるようになります。交響曲全集も2度制作しているほか個別の録音も数多く存在しますが、晩年に東ドイツまで出向きシュターツカペレ・ドレスデンを指揮してルカ教会でセッション録音したこの全集は、独墺でのさまざまなヴァージョンによる演奏など、数々の経験を膨大に蓄積したヨッフム晩年の方法論が反映された演奏として注目される内容を持っています。その演奏は重厚で堂々たるスケールを持っていますが、決してスタティック一辺倒なものでは無く、十分に動的な要素にも配慮され起伏の大きな仕上がりを示しているのが特徴でもある。ベートーヴェンの交響曲も重要なレパートリーとしており、交響曲全集についてもドイツ・グラモフォン(1952〜61)、PHILIPS(1967〜69)、EMI(1976〜79)と3度にわたって制作しています。長大なキャリアの最初から最後まで、常にレパートリーのメインに据えられた重要な存在だったベートーヴェンだけにロンドン響を指揮した晩年の録音でも、味わい深い演奏を聴かせてくれています。早熟な天才指揮者ではなかったが、長く生き、途切れること無くオーケストラを相手したことで職人指揮者で終わることもなかった。三大Bの作品では、最も熱く、渋く、重厚、そしてロマンティックで熱情的な演奏は其々を際立たせた解釈で、現在においても名盤として称賛され続けています。
Eugen Jochum : The Complete EMI Recording
Eugen Jochum
Warner Classics
2012-09-10

1978年ロンドン、キングスウェイ・ホールでのクリストファー・ビショップ&クリストファー・パーカーの Quadraphonic 録音。
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