DE 	DGG 	SLPM138 829	ヨッフム 	ブルックナー・ミサ曲

商品番号 34-9041

通販レコード→独初期チューリップ盤[オリジナル]

ヨッフムとバイエルンの名演奏 ― オイゲン・ヨッフムという指揮者は出来不出来が甚だしく、悪い時はいかにも頼りないが、一度調子に乗ると一流の輝きを見せる。彼が最も得意としているブルックナーの交響曲全集でさえ、随分ばらつきがあるが、日本における実演でも、時として滅多に聴けないような表現が飛び出すから油断が出来ない。ベルリン・ドイツ・オペラ公演における「魔弾の射手」など、未だに心に残っているし、初めてコンセルトヘボウと来日した時のワーグナーも凄かった。本盤は、そうした絶好調のヨッフムの姿を伝えるものとして、極めて貴重な価値を持つ名盤といえよう。ヨッフムは生涯一貫してブルックナーに愛情を注いできたといって過言ではない人であり、残された録音の多さにもそれは示されている。有名な2つの全集(バイエルン放送交響楽団&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とのドイツ・グラモフォン盤。ドレスデン・シュターツカペレとの英EMI盤)の他に、モノラル時代に数点在る。ベルリンのイエス・キリスト教会とミュンヘンのヘルクレスザールの二箇所で行われた録音セッションが行われている本全集は、ドイツ的な風合いの再現という意味では、後年のドレスデン・シュターツカペレと録音した「燻し銀」のEMI盤よりもむしろ優れており、質実剛健なサウンドによるブルックナー演奏の面白さがダイレクトに迫ってきます。ヨッフムは、1950年よりドイツ・ブルックナー協会の総裁を務めたブルックナーの権威でもありました。声楽作品も1962年に始まった交響曲録音とほぼ同時期に録音が行われています。ブルックナー演奏に終生情熱を傾けたヨッフムならではの解釈が聴かれる充実の録音。ブルックナーをより自然に近づけ、心暖まるものにする感じ。ブルックナー作品の様式特性ともいえる和声的響き、壮大なオーケストレーションなどがちりばめられ、ブルックナー音楽を理解するには不可欠な名盤です。ブルックナーの創造した本当に深い森の中をそぞろ歩いているような錯覚を起こさせる稀有な名演だと思います。
オイゲン・ヨッフム(Eugen Jochum, 1902年11月1日〜1987年3月26日)は、バーベンハウゼン生まれ。アウグスブルク音楽院でピアノとオルガンを学び、1922年よりミュンヘン・アカデミーでハウゼッガーに指揮を学ぶ。1949年にバイエルン放送交響楽団の設立に関わり、音楽監督を1960年まで務め同楽団を世界的レベルにまで育てた。演奏スタイルに派手さはなく地味ではあるが、堅固な構成力と真摯な態度、良い意味でのドイツ正統派の指揮をする。やはり本領はバッハ及びロマン派音楽と思われる。彼は音楽を自己の内心の表白と考える伝統的ドイツ人で、したがってバッハ、ブルックナー、ブラームスに於いては敬虔な詩情を迸っている感動的な名盤を生むが、モーツァルトの本質を探ろうとするほどに湧き溢れて来るがごとき心理的多彩さや、ベートーヴェンの英雄的激情、それにリヒャルト・シュトラウスの豊麗なオーケストラの饒舌を表現するには乏しい結果となっている。ヨッフムがはたして、すでに成長すべき極言まで達してしまった人なのか、それともさらに可能性が期待できるのか、いつまでも巨匠の風貌に至らないのが、好感とともに焦燥を禁じえないが、おそらく同世代のカール・ベーム、エドゥアルト・ファン・ベイヌム、ヘルベルト・フォン・カラヤンたちに比べれば個性と想像力において弱く、名指揮者にとどまるのではないかと思われた。ところが、後年のヨッフムの録音活動の活発さは目を引いた。戦前のSPレコードでは、わずかにテレフンケンのベートーヴェンの「第7」「第9」ほどだったのと比べて、彼が晩年型の指揮者と称されることを簡易に理解できる面だろう。ベルリン放送交響楽団(1932~34年)、ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団(1934~49年)、バイエルン放送交響楽団(1949~60年)、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(1961~64年)、バンベルク交響楽団(1971~73年)とオーケストラ首席指揮者を務めた変遷を見ると、バイエルン放送響以外は短いのに気づくが、同時に2つのオーケストラを兼務することをしていないことも見て取れる。そうした、一つ一つの歴任を経て来たことは彼の律儀な性格のあらわれかも知れない。
でも彼の真価が本当に発揮されるのは1970年代に入ってからで、幾つかの楽団を渡り歩いたのちの70歳代になってからである。シュターツカペレ・ドレスデンとの「ブルックナー・交響曲全集」やロンドン・フィルハーモニー管弦楽団との「ブラームス・交響曲全集」、そしてロンドン交響楽団との「ベートーヴェン・交響曲全集」をのこしたのもすべてこの時代である。ヨッフムは若い頃からブルックナー作品に熱心に取り組み、やがてブルックナー協会総裁も務めるなど権威としてその名を知られるようになります。交響曲全集も2度制作しているほか個別の録音も数多く存在しますが、晩年に東ドイツまで出向きシュターツカペレ・ドレスデンを指揮してルカ教会でセッション録音したこの全集は、独墺でのさまざまなヴァージョンによる演奏など、数々の経験を膨大に蓄積したヨッフム晩年の方法論が反映された演奏として注目される内容を持っています。その演奏は重厚で堂々たるスケールを持っていますが、決してスタティック一辺倒なものでは無く、十分に動的な要素にも配慮され起伏の大きな仕上がりを示しているのが特徴でもある。ベートーヴェンの交響曲も重要なレパートリーとしており、交響曲全集についてもドイツ・グラモフォン(1952〜61)、PHILIPS(1967〜69)、EMI(1976〜79)と3度にわたって制作しています。長大なキャリアの最初から最後まで、常にレパートリーのメインに据えられた重要な存在だったベートーヴェンだけにロンドン響を指揮した晩年の録音でも、味わい深い演奏を聴かせてくれています。早熟な天才指揮者ではなかったが、長く生き、途切れること無くオーケストラを相手したことで職人指揮者で終わることもなかった。
ブルックナー:ミサ曲第1番
マティス(エディト)
ポリドール
1996-10-02

マリア・シュターダー(ソプラノ)、クラウディア・ヘルマン(アルト)、エルンスト・ヘフリガー(テノール)、キム・ボルイ(バス)、バイエルン放送交響楽団&合唱団、Chorus Master – Kurt Prestel, Organ – Anton Nowakowski。Recording Supervisor – Hans Ritter, Engineer – Walter Sommer.表紙はフランス発売仕様。フランス・ドイツ・グラモフォン発売の「PRESTIGE」シリーズは、最初の頃は、レコード盤はドイツ・プレスの輸入盤を使っていました。
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