34-13848

商品番号 34-13848

通販レコード→独ブルーライン盤 DIGITAL STEREO

とてつもなく単純な発想で、この上ない完璧さを追求したもの。 ― ご飯粒を炒り玉子がコーティングすることでパラパラとした美味しい炒飯が出来上がりますが、家庭ではベッタリ失敗しやすい。大きい鉄鍋の中で素早くかき混ぜること、強い火力が必要であるからなので、卵をご飯に絡めておいて炒めると火力の弱い家庭のコンロでも美味しくなります。卵を載せて「卵かけご飯」と紹介されている事がありますが、美味しい醤油をしっかり混ぜたご飯に、卵をかける単純な発想ですが、醬油のこだわり、卵を掛ける前の完璧さが大切。1975年に始まったヘルベルト・フォン・カラヤン&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のブルックナー交響曲全集からの一枚です。ブルックナーの交響曲は第3番から第6番までが中期と呼べるでしょうが、その中での最高峰が第5番というのは誰もが認めるところです。けれども、この第3番も中々に人気があります。楽想の豊かさでは第4、第6を凌ぐかもしれません。交響曲第3番は、カール・ベーム指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1970年DECCA録音)が素晴らしい演奏です。ベームの引き出す厳しく引き締まった響きは音楽の穏やかさや陶酔感を遠ざけるものの、造形感や構築力が見事で、音楽が立派に聞こえることこの上もありません。とても迫力が有りますが荒さは感じません。ウィーン・フィルの音の美しさ、繊細さを生かしながら豪快さと両立させた聴き応え充分の名演奏です。ギュンター・ヴァントのブルックナーは出来不出来が少なく、常に高次元を保っている。交響曲第3番は初稿がワーグナーに捧げられた為に「ワーグナー交響曲」の愛称で呼ばれます。初稿執筆の最中の1873年、ブルックナーはリヒャルト・ワーグナーに面会し、この第3交響曲の初稿を献呈した。初稿譜にブルックナーは表紙に「ワーグナー」の文字を華やかな金泥色で記すよう指示し、実際にワーグナーの旋律が引用されていました。中でも第2楽章の「タンホイザー」からの引用は聴きもので、ワーグナーを崇拝、尊敬する気持ちの現れたものだと思います。ところが、1877年、ブルックナー自身がウィーン・フィルを指揮した初演は、演奏会終了時にほとんど客が残っていなかったという失敗。この初演の失敗により、ブルックナーはその後約1年間、作曲活動から遠ざかったほどだが、この曲が出版されることとなり、再度この曲は大幅改訂され、第1稿には、ワーグナーの楽劇の旋律の引用が随所に見られたが、第2稿・第3稿と改訂が進むにつれ、引用箇所は削除されていった。1890年に、ハンス・リヒター指揮ウィーン・フィルによって初演された第3稿は成功を収めた。概して、第3稿の完成度の高さを評価する演奏者が多く、実際の演奏でも、ノヴァーク版第3稿が使用されることが多い。ただし、第3稿については音楽の展開が晩年のブルックナーのスタイルになってしまっており、第2稿・第1稿の方に評価を与え、第2稿の方が、この曲の主題や楽想に相応しいとする指揮者も少なくない。カラヤン&ベルリン・フィルの演奏はノヴァーク版第3稿Ⅲ/3によります。
ヘルベルト・フォン・カラヤンのブルックナーはウィーン風の伝統とは違うが、潔い位真っ当で正攻法で本物の風格がある。1975~1981年にまたがっているブルックナー・交響曲全集中では第1番、2番と並んで最も遅い時期に録音されたためか、〝重厚でメタリック〟という〝カラヤン・サウンド〟の特徴が遺憾なく発揮されている。デジタル録音のデモンストレーションにもってこいで音量の起伏が激しく、立派過ぎます。カラヤンのブルックナーはフランツ・コンヴィチュニーと同様で、正攻法で音楽的である。恐ろしい程に堂に入った演奏なのである。カラヤン節の極みとでも言える、ダイナミック・レンジが非常に大きい。本物のブルックナーでは無く、カラヤンが見える。1970年代の演奏は緊張感が違う。弱音部では繊細きわまりない音楽を作り出し、強奏部分では怒濤の迫力で押してくる。その較差、落差と云ってもいいのかな、他の指揮者ではなかなか見られないカラヤン流の演出。ベルリン・フィルの迫力も頂点に達している。個々の楽器が当然のように巧いし、全体がよく揃っている。大層恰幅と格好の良い演奏で、フィナーレでトランペットがクローズアップされて聴かせる力強いアンサンブルは輝かしすぎて、目が眩みそう。そして、カラヤンのブルックナーは、ブルックナー聴きの試金石ではないかと、この曲でより強く思われる。この曲をカラヤンで刷り込んでしまいますと、たとえば、ギュンター・ヴァントやカール・ベームを聴いた時に、がっかりを通り過ごして、別の曲に思ってしまうでしょう。カラヤン&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団全盛期の録音で、後期交響曲とは違った若々しいエネルギーと率直さで表現した演奏の構築力の堅固さ、圧倒的な響きの美しさは筆舌に尽くし難いものです。 カラヤンがことあるごとに愛奏した十八番レパートリーは3曲。ヴィルヘルム・フルトヴェングラーを意識し、挑発する格好の対照である交響曲第5番。カラヤン的スポーティな演奏だと爽やかな風が通り過ぎるかのような心地良さがあり、カラヤン美学の象徴とも言える緩徐楽章は情緒纏綿にねっとりと歌い上げる交響曲第7番。一部には顔を顰める人もいるカラヤン流レガート奏法も抑え気味でリズムを明確に強調した実直とも言える表現と素晴らしい音響の、交響曲第8番は極めてシリアスで、荘厳な演奏でフィナーレのカタルシスは正にこの世の終わりを感じさせるほどの圧倒的な存在感を誇ります。
ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908~1989)は、レコード録音に対して終生変わらぬ情熱を持って取り組んだパイオニア的存在であり、残された録音もSP時代からデジタル録音まで、膨大な量にのぼります。その中でも、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団との結び付きがいよいよ強固なものとなり、続々と水準の高い録音が続々と行われた1970年代は、カラヤンの録音歴の中でも一つの頂点を築いた時代といえます。本盤は1970年代に比較的短いスパンでEMI→DGGと再録音が行なわれたモーツァルトやチャイコフスキーの後期交響曲集などと同じく、待望されていた1970年秋のブルックナー・交響曲第4&7番の登場でファンの溜飲を下げたあと、1975年1月~1976年12月の丸2年で人気処の4・5・7~9番の選集にするつもりが、何らかの事情で1979年9月に6番を追加、そして、デジタル録音の登場が弾みとなったか、初期の1〜3番までを一気に1980年9月~翌81年1月に録音し、全集完成。EMIのオイゲン・ヨッフムとシュターツカペレ・ドレスデンの二度目の交響曲全集ににらみをつけた。カラヤンはオーストリア出身ですが、同郷の作曲家ブルックナーの作品を網羅的に取り上げていた訳ではありません。レコード録音に対して終生変わらぬ情熱を持って取り組んだパイオニア的存在であり、残された録音もSP時代からデジタル録音まで、膨大な量にのぼりブルックナーの交響曲全集録音を遺してはいますが、作品ごとに愛着や理解の濃淡があったと見るのが当然です。初期作品や、交響曲第6番は実演では取上げていないと推測されている。カラヤン&ベルリン・フィルの絶頂期~晩年に差し掛かる時にレコーディングされたものではあるが、ただそれだけでは済まない。充実期の賜物だったろうが、短期間での録音であり、カラヤンは全曲一貫した方法論によって、ブルックナーのスコアからきわめて壮麗な音楽を引き出しており、当時絶頂期にあった同コンビの凄まじいまでのヴィルトゥオジティもあって、全体の仕上がりは正統派(?)ブルックナー党が目をむくようなゴージャスなものとなっているのが特徴。
ヨーロッパの音楽界を文字通り制覇していた「帝王」カラヤンとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と、ドイツでの拠点を失ってしまった英H.M.V.の代わりとなったドイツ・エレクトローラとの共同制作は、1970年8月のオペラ『フィデリオ』の録音を成功させる。カラヤンのオーケストラ、ベルリン・フィルの精緻な演奏は、ヘルガ・デルネシュ、ジョン・ヴィッカースの歌唱を引き立てながら繊細な美しさと豪快さを併せ持った迫力のある進め方をしています。有名なベートーヴェンのオペラが、ただオペラというよりオラトリオのように響く。カラヤンは1972~76年にかけてハイドンのオラトリオ『四季』、ブラームスの『ドイツ・レクイエム』、さらにベートーヴェンの『ミサ・ソレムニス』という大曲を立て続けに録音しています。ドイツ、オーストリアの指揮者にとって、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスは当然レパートリーとして必要ですが、戦後はワーグナー、ブルックナーまでをカバーしていかなくてはならなくなったということです。ヘルベルト・フォン・カラヤンが是が非でも録音をしておきたいワーグナー。当初イースターの音楽祭はワーグナーを録音するために設置したのですが、ウィーン国立歌劇場との仲たがいから、オペラの録音に懸念が走ることになり、彼はベルリン・フィルをオーケストラ・ピットに入れることを考えました。カラヤンのオペラにおける英EMI録音でも当初はドイツもの(ワーグナー、ベートーヴェン)の予定でしたが、1973年からイタリアもののヴェルディが入りました。英EMIがドイツものだけでなく、レパートリー広く録音することを提案したようです。この1970年代はカラヤン絶頂期です。そのため、コストのかかるオペラ作品を次々世に送り出すことになりました。オーケストラ作品はほとんど1960年代までの焼き直しです。「ベルリン・フィルを使って残しておきたい」というのが実際の状況だったようです。この時期、新しいレパートリーはありませんが、指揮者の要求にオーケストラが完全に対応していたのであろう。オーケストラも指揮者も優秀でなければ、こうはいかないと思う。歌唱、演奏の素晴らしさだけでなく、録音は極めて鮮明で分離も良く、次々と楽器が重なってくる場面では壮観な感じがする。非常に厚みがあり、「美」がどこまでも生きます。全く迫力十分の音だ。ベルリン・フィルの魅力の新発見。そして、1976年にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団から歩み寄り、カラヤンとウィーン・フィルは縒りを戻します。カラヤンは1977年から続々『歴史的名演』を出し続けました。この時期はレコード業界の黄金期、未だ褪せぬクラシック・カタログの最高峰ともいうべきオペラ・シリーズを形作っています。
ブルックナー:交響曲第3番
カラヤン(ヘルベルト・フォン)
ユニバーサル ミュージック クラシック
2013-03-20

1981年初発。1980年9月20,21日ベルリン、フィルハーモニーでのデジタル録音。