34-12039
通販レコード→仏ブルーライン盤

DE DGG 2530 309 小澤征爾 バーンスタイン・ウエスト・サイド物語

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《20世紀の名曲。明るくスマートでアクも少なく、アメリカ西海岸を象徴するような演奏。なかなか魅力的だ。リズムの扱いもていねいで好感が持てる。 ― 情熱と理性の調和。フロント(ソロ)と大きな力(オーケストラ)の鬩ぎ合いではなく、お互いが融け合って進む方向を作る小澤の音楽作りがそのまま生きている。》 大きなオーケストラに唯一人対峙する指揮者。欧米の名門オーケストラを若いうちから指揮する機会に恵まれたのは、小澤征爾が物珍しい東洋人であったからだろう。NHK交響楽団や日本フィルとの事件は彼の指揮者として目指していくスタイルを確信させた。欧米のクラシック音楽の中心にはドイツ音楽精神が根強い。小澤の得意のレパートリーは何か、何と言ってもフランス音楽、そしてこれに次ぐのがロシア音楽ということになるだろうか。それは近年の松本でのフェスティバルでもフランス音楽がプログラムの核であることでも貫かれている。ロシア音楽について言えば、チャイコフスキーの後期3大交響曲やバレエ音楽、プロコフィエフの交響曲やバレエ音楽、そしてストラヴィンスキーのバレエ音楽など、極めて水準の高い名演を成し遂げていることからしても、小澤がいかにロシア音楽を深く愛するとともに得意としているのかがわかるというものだ。本盤は、1970年代に小澤征爾がドイツ・グラモフォンに録音したアメリカ作品。ルッソの作品はブルース・バンドとオーケストラとの共演という珍しい作品です。その1970年代の音充溢である。ブルース・バンドの演奏が絡んでくると一層、喧噪猥雑引き連れた旺盛な活力の一方で素朴なまでの敬虔さや甘美な夢見が入り混じり、多種多様なソノリティが響き交わす。20世紀アメリカ音楽の面白さである、雑種感がてんこ盛りでありながら、その特色世界を小澤流ビビッドネスでぴたり楽しませる。余程ルッソの作品が好きだったのでしょう。実は、このルッソの作品は小澤自身がシカゴのラヴィニア音楽祭の音楽監督をしていた時代に作曲者に委嘱した作品です。オーケストラはそれなりに好演していますが、ロックやジャズに抵抗はないのだろうが夢中になることもないのだろうと想像させるほど、「メロディーとリズムの微妙なせめぎ合い」は殆ど感じられない、工芸品の美しさに人種の息吹を知るといったふうに小澤らしさとは、メロディーを奏するソロ奏者の手足を縛ったストイックさにこそあるといえる。ハーモニカ・ソロと管弦楽によるけだるい、しかし、郷愁を感じさせるような曲趣。雑踏の間に聞こえてくるブルース・バンドの演奏。うん、そういう受け止め方で聴くのが良いようだ。何より録音が良い。ライヴに接している錯覚になる好録音だ。これは小澤がドイツ・グラモフォンに録音した初めてのアルバム。それがバーンスタインと、小澤征爾が委嘱したルッソというのが、レコード界が小澤に期待していたものを感じられそう。アグレッシヴで瑞々しい感性を持ち合わせていた頃の芸風を知るには恰好の一枚。1972年6月3−11日カリフォルニア州、クパティーノでのセッション・ステレオ録音。サンフランシスコから南へ30分ほど下ったところにあるクパティーノは、Appleの本社のある今ではシリコンバレーの中心地です。
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