DE DGG  104 966/68 カラヤン ワーグナー・ラインの黄金(全曲)

商品番号 34-12167

通販レコード→独チューリップ赤文字盤 MADE IN GERMANY ORIGINAL

ワーグナー演奏史の転換点ともなった、20世紀の遺産。 ― 牧歌的な部分から迫力ある部分まで表現の幅が広く、リズムも引き締まっています。弦楽器のクリアネスと胸のすくような金管の咆哮はヘルベルト・フォン・カラヤンとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が成し得た最高の20世紀の遺産として、真っ先に挙げねばならない録音であろう。カラヤンが臨んだワーグナー畢生の大作《ニーベルングの指環》全曲録音は、録音当時のワーグナー歌手を総動員して入念に制作された。その演奏は室内楽的な精緻さや磨き込まれた表現によって巨大な作品に新鮮な光を当てたものとして、「ワーグナー演奏史に新たな1ページを記した」との高い評価を得ました。オペラの中でシンフォニックなリングの録音で、最もオーケストラが雄弁なのがこの演奏。カラヤンの音響設計の巧みさは見事なもので、単にライトモティーフを浮き彫りにすることに終始することなく常に耽美的なまでの美感を呈することに成功、壮大な迫力から繊細を極めた弱音まで、その表現能力の幅広さは流石カラヤン&ベルリン・フィル。ヴィルヘルム・フルトヴェングラーの後を継いでベルリン・フィルの常任指揮者となったカラヤンは、1959年以降この手兵とともにドイツ・グラモフォンに膨大な数のレコーディングを行いました。最高の演奏でレコード化することに情熱を傾け続けた彼の姿勢は、この〝ラインの黄金〟にも端的に示されています。1960年代のカラヤンのものがダントツに面白い。とにかくダイナミックスの幅が広く鮮やかで迫力満点。デッカ・カルーショー&ショルティ盤に負けず劣らず素晴らしい録音だ。カラヤンとベルリン・フィルの音楽も流麗でありながら男性的でもあり、この曲の示す情景を一分の隙もなく再現する。純音楽的にとらえ完成させていながら、映画音楽のようなスペクタクルにも欠けていない。室内楽のようなリングだと言われる理由がそこに有る。そして、カラヤンによって妥協なく選ばれた粒よりのキャストも豪華かつ強力。それまでならばレコード会社は歌劇場や音楽祭で制作されたものをレコードに流用していたのだが、オペラ・レコードのキャスティングに関しては英EMI、英デッカ専属時代まで、ウォルター・レッグやジョン・カルショウなどレコード会社のプロデューサーの力が強く、カラヤン自身の望んだキャストでオペラ全曲盤を録音できるようになったのは、このドイツ・グラモフォンへ1966年に録音された《ワルキューレ》からでした。
それらキャスティングにヘルベルト・フォン・カラヤンの意思が反映するようになってからのレコード作りには、名作オペラの配役に対するカラヤンのセンスや考え方が明らかでした。《ニーベルングの指環》全曲録音の第1弾として《ワルキューレ》から上演に先立ってほぼ同じキャストで録音を行い、実演のリハーサル費用をレコード会社に負担させるプラクティカルなシステムが動きだす。そして上演そのものはレコード販売の宣伝のためにも利用されることになる。つまりレコード収録のためのセッションで練り上げられたものが舞台における上演の土台になる、一種の永久運動が生じるわけだ。《ワルキューレ》全曲の録音は、このやり方での最初の成功例でした。この《ワルキューレ》では、旧来のドイツのワーグナー歌手たちとは一線を画するリリックな歌声の歌手が選ばれました。トーマス・ステュアート(さすらい人)、ジョン・ヴィッカース(ジークムント)、ヘルガ・デルネシュ(ブリュンヒルデ)、ゲルハルト・シュトルツェ(ローゲ)など名だたるワーグナー歌手たちの名唱はもちろん、〝ラインの黄金〟におけるディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウのヴォータン役はカラヤンならではの慧眼にうならされる見事な人選と云えるでしょう。ゲオルク・ショルティ盤に当時のドイツ・グラモフォンが威信をかけて対抗したプロジェクト。こちらも録音からして英デッカを相当意識したのは間違いなく、しかもそれが見事に結実しているのは驚くしかない。ショルティ盤と比較しての唯一の弱みはキャストに統一性がないことであるが、〝ラインの黄金〟を単独で鑑賞するなら第一に推す。然し、レコード録音史の金字塔を先取りされたことで、カラヤン盤の威力が発揮する。それまでのワーグナー演奏と言えば、声の大きい英雄的なテノール歌手と、男声に負けない声量をもったソプラノ歌手が、情熱的な歌い回しで北欧神話の巨人たちの世界を表現していた訳ですが、カラヤンにあっては何よりも声そのものの美しさが必要とされ、次いではドラマの心理を描き出す繊細なセリフ回しが求められました。それは、カラヤンがワーグナーのスコアを見て、オーケストラに求めた美意識と同一線上にあるものと感じられます。ここでは、カラヤンによって微妙にコントロールされたオーケストラの、聴き手に恰も室内楽を聴いているように思わせるデリケートな響きを聴くことができる。そうすることによって、カラヤンはここで作品の抒情的な側面を浮き彫りにした。
ドイツ、オーストリアの指揮者にとって、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスは当然レパートリーとして必要ですが、戦後はワーグナー、ブルックナーまでをカバーしていかなくてはならなくなったということです。ヘルベルト・フォン・カラヤンが是が非でも録音をしておきたいワーグナー。当初イースターの音楽祭はワーグナーを録音するために設置したのですが、ウィーン国立歌劇場との仲たがいから、オペラの録音に懸念が走ることになり、彼はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団をオーケストラ・ピットに入れることを考えました。カラヤンのオペラにおけるEMI録音でも当初はドイツもの(ワーグナー、ベートーヴェン)の予定でしたが、1973年からイタリアもののヴェルディが入りました。EMI がドイツものだけでなく広く録音することを提案したようです。この70年代はカラヤン絶頂期です。そのため、コストのかかるオペラ作品を次々世に送り出すことになりました。オーケストラ作品はほとんど60年代までの焼き直しです。「ベルリン・フィルを使って残しておきたい」というのが実際の状況だったようです。この時期、新しいレパートリーはありませんが、指揮者の要求にオーケストラが完全に対応していたのであろう。オーケストラも指揮者も優秀でなければ、こうはいかないと思う。歌唱、演奏の素晴らしさだけでなく、録音は極めて鮮明で分離も良く、次々と楽器が重なってくる場面では壮観な感じがする。非常に厚みがあり、「美」がどこまでも生きます。全く迫力十分の音だ。そして、1976年にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団から歩み寄り、カラヤンとウィーン・フィルは縒りを戻します。カラヤンは1977年から続々『歴史的名演』を出し続けました。この時期はレコード業界の黄金期、未だ褪せぬクラシック・カタログの最高峰ともいうべきオペラ・シリーズを形作っています。
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(ヴォータン)、ゾルターン・ケレメン(アルベリヒ)、ジョゼフィン・ヴィージー(フリッカ)、ゲルハルト・シュトルツェ(ローゲ)、エルヴィン・ヴォールファールト(ミーメ)、マルッティ・タルヴェラ(ファゾルト)、カール・リッダーブッシュ(ファフナー)、オラリア・ドミンゲス(エルダ)、ロバート・カーンズ(ドンナー)、ドナルド・グローブ(フロー)、シモーネ・マンゲルスドルフ(フライア)。1968年ベルリン、イエス・キリスト教会でのギュンター・ヘルマンスによる録音、オットー・ゲルデスのプロデュース。3枚組。
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